KDDIブースでも、やはり中心的にアピールされているのは現行機種および現行サービスだ。
特に音楽配信サービス「LISMO」には力を入れているようで、パソコンやオーディオプレーヤとのリンクしやすさなども、アピールされていた。このあたりはここ数年おなじみの光景である。
ケータイで電子書籍を大きくアピール
今回大きくプッシュしていたのは「biblio」(関連記事によるEZブックサービスだ。電子ブックリーダーとしての携帯電話というのは音楽や動画に比べればやや地味な印象こそ受けるものの、活字離れという言葉も長く、なおかつ電子ブックの普及も進まないために紙媒体から移行できていない書籍文化の現状をみると、なかなか手頃で魅力的な端末だ。
biblioも含めて同社この春の新機種はユニークな特徴を持つ機種が並ぶが、なかでもHD動画を撮影可能な「Moible Hi-Vision CAM Wooo」には注目。HD動画を撮れるというだけでなく、横型のカムコーダスタイルとして構えることもできれば自分撮りもでき、縦横開きの独特の液晶ヒンジ構造とカメラは面白い。HDM端子装備によってテレビと直接接続してHD動画をそのまま表示できるのも本機の特徴だが、実際にデモで見ると予想外にきれいで驚かされる。
同じ夏モデルで、防水&ソーラー充電端末の「SH002」もかなり存在感がある。
完成度の高い実空間透視ケータイのデモ
新しいサービスとしては、ドコモと同様に拡張現実を取り入れた「実空間透視ケータイ」が完成度の高いデモを行っていた。これは昨年より公開されていた技術で、GPSと姿勢センサーによってリアル空間にあるさまざまな店舗やランドマークのタグを表示するもの。カメラの風景に重ね合わせるのではなく3Dグラフィックス表示されたマップの上を歩く感覚で使えるようになっている。
アプリとしてはユーザーの撮影した画像を写真として残す「地球アルバム」やホテルなどの施設情報が分かる「トラベルビューア」が用意される。サービス開始時期などは未定ながら、GPS・地磁気・加速度センサー搭載モデルならばEZアプリとして動くという。
超小型無線LAN、赤外線も捨てたもんじゃない
新技術デモとして面白いのが高速赤外線規格「Giga-IR」を携帯電話に組み込んだもの。1Gbit/sという高速通信を赤外線で行うデバイスは従来、近距離(ケーブルを引くのが面倒な隣の建物)での無線代替として使われていたが、携帯電話に組み込むことでPCなどとの接続を高速かつワイヤレスで行えるようになる。100MBのデータを0.8秒で転送することできるというが、HD動画など肥大化するコンテンツのデータを、雑多なケーブルを用意せずに転送できるというのは、携帯電話にとって利便性が高いだろう。
パソコンではIrDA端子を持たない機種も多くなってきているが、手軽に住所録交換できるなど、携帯電話の世界ではまだまだ使いでのある通信手段なので、高速化するメリットはあるだろう。
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