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ワイヤレスジャパン 2009レポート 第6回

ライバルは固定ブロードバンド通信のイー・モバイルとUQ

2009年07月23日 14時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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2009年はモバイルブロードバンドが
爆発的に普及する前夜?

イー・モバイル エリック・ガン氏

イー・モバイル エリック・ガン氏

 ワイヤレスジャパン 2009で「イー・モバイルの事業戦略」と題して講演を行なったイー・モバイルの代表取締役社長兼COOのエリック・ガン氏は、まず現在にいたるまでの国内の通信ビジネスについて振り返った。

 固定一般加入電話、長距離電話、携帯電話と通信ビジネスは新しいジャンルに拡大していったが、その中でもっとも印象的なトピックが1994年に始まった携帯電話の売り切り制度の開始であるという。

 1994年時点での携帯電話の契約数が170万。当時ゴールドマンサックスのアナリストだったガン氏は、未来の携帯電話の市場規模について非常にアグレッシブな予想をしたという。その数字が「1000万契約」。それでも周囲には「そんなに普及しないよ」と言われたとのこと。

 そしてこの170万という数字は現在のイー・モバイルの契約数とほぼ同じということを引き合いにし、今から2015年にかけて起きるのが、モバイルブロードバンドの爆発的な普及であると予測した。

会員数の推移

イー・モバイルの加入者数の推移。今年度の目標は100万人の増加でQ1はその予定を若干上回ったという

純増シェア

携帯加入者数の純増シェアの推移。イー・モバイルは2位のドコモとほぼ同じシェアを持っている

 またイー・モバイルが提供するサービスの現状についても説明が行なわれた。同社は端末でもHTCなど海外製端末を積極的に導入しているが、基地局にもエリクソンとファーウェイという海外の2社の技術を採用する。

 この2社の協力に加え、最新の技術を用いることで、同社の基地局は1局あたり他キャリアと比べて10分の1のコストに抑えられているという。その秘密は電源などをすべて合わせて「300~500kgの間」という基地局の小型化。

 10トン以上ある他キャリアの基地局は設置できるビルの規模が限定されるが、イー・モバイルの小規模のビルでも設置可能なため、結果として地上までの距離が短くなり、カバレッジエリアも広く、短期間での人口カバー率の拡大に寄与したとする。

基地局のメーカー

東名阪はエリクソン、そのほかの地域ではファーウェイ製の基地局を使用している

他社との比較

他社の基地局との比較。小型であるため、設置の自由度とコストの両面で上回るという

 最後に7月24日から始まる最大21MbpsのHSPA+のサービスが紹介された。また3.9Gサービス用の帯域として、現在利用している1.7GHz帯の隣の周波数帯でが免許取得できたことを紹介し、DC-HSDPA(最大42Mbps)など、今後予定しているさらなる高速データ通信サービスにおいて、既存設備の流用が可能な点に大きなメリットがあると語った。

周波数帯

3.9Gサービス用に1.7GHz帯の周波数について免許を取得した。従来の帯域に隣接しており、使いやすい電波だとの発言も

今後の予定

来年には最大42MbpsのDC-HSDPAを開始、そしてLTEにつなげていく予定

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