十勝の寒さを
とかちつくちて!
ラリー北海道、DAY1(土曜日)は日本一寒い街として有名な、陸別の林道コースを中心に行なわれた。ここのSS(スペシャルステージ)は、20km以上ものロングコースが連なり、さらに前日の雨で路面はぬかるんでいるうえにスピードアベレージが高いという、プロでも苦戦を強いられるコースだ。ラリー初心者の浜選手にとって、いきなり障害が立ちはだかった。
ある程度の速さを維持しながら、リタイアしないように慎重にメロン号をドライブする浜選手と、それを支える中村選手。途中で早着によるペナルティはあったものの(ラリーではタイムコントロールに早く着いても遅くついてもいけない)、SS7までは順調に走っていた。しかし、SS8で7分近いタイムロスをした。何があったのか、中村選手に聞くと
「残り10kmという所で右のリアタイヤがバーストし、さらに轍でハンドルをとられてパワステが破損してしまいました。そのステージの残りと次のステージの20kmをパワステなしで走らざるを得なかったんです。なんとかリタイヤせずに帰って来れただけでも良かったです。陸別のロングステージはどれも非常に危険で、その場の判断でペースノートに修正を入れながら走ったんですよ。本来、こういうことはしないんですけどね」
と話してくれた。ラリーではパワステ破損のトラブルはたびたび起こる。WRCでもワークスチームのトップドライバーが同様のトラブルに襲われ、パワステなしでSSを走り、腕がパンパンになっているのを見かける。浜選手はラリーの洗礼を、幸か不幸かいきなり受けてしまったようだ。陸別は相当危険だったらしく、24台いた全日本選手が帯広に戻る頃には16台になっていた。世界チャンピオンの新井選手ですら、午前中でリタイアしてしまったほどだ。
満身創痍で北愛国のサービスパークに戻ってきたメロン号だが、修復できるのは本日の残りの2ステージを走ってから。ノンパワステのままダートコースに挑むことになってしまった。だが、浜選手はダートラ出身なので、1回目の帯広ステージを難なくクリア。これなら今日は完走か? と思ったら、なんと2回目の走行時間にメロン号が現れない。見ていた観客も「メロンちゃん来ないよ?」と心配している。もしや……というときにメロン号が現れ、皆胸をなで下ろした。
再び中村選手を呼び止め、遅れた原因を聞いてみた。
「実はSS10が終わったあと、TC(タイムコントロール)に行かないといけないんですけど、ルートをミスしてSS11のTCに行ってしまって。本来ならコース逸脱で失格でも仕方がないんですが、7~8分のペナルティということになりました。完全に私のミスなので、とても悔しいです!」
浜選手はというと、
「陸別では途中でサイドステップを落としてしまいました。あと、腕がかなり痛いです。パワステがないと、ちょっとした轍でハンドルが持って行かれるんで怖いですよ。常に修正舵を当てながら走ってる感じです。SSによっては、膝くらいの深さまで轍が掘れているので、下手にハマるとあっという間にクルマがクラッシュですね。今日でだいぶメロンちゃんもボロボロになってしまったので、DAY2はなんとか轍のクリアの仕方を考えないと」
とコメントしてくれた。サービスではパワステの交換、サイドステップの代わりになるモノの装着などが行なわれ、無事にメロンランサーはパルクフェルメ(車両保管所)へと入った。いよいよ日曜が最終日。無事に完走なるか!?
(次のページへ続く)
この連載の記事
-
第13回
ゲーム・ホビー
メロンランサー2009シーズンを総括!【動画あり】 -
第12回
ゲーム・ホビー
ド迫力の営業車! メロンバンができるまで -
第11回
ゲーム・ホビー
最終戦の1週間前に優勝していたメロン号!【動画あり】 -
第10回
ゲーム・ホビー
全日本ラリー最終戦でメロンランサー墜落!【動画あり】 -
第9回
ゲーム・ホビー
メロンランサー、長篠の戦いから生還!【DAY2】 -
第8回
ゲーム・ホビー
栄光の地に帰ってきたメロンランサー!【DAY1】 -
第7回
ゲーム・ホビー
北の大地1000kmの道程をメロン号が見事完走! -
第5回
ゲーム・ホビー
メロンランサー、北の大地に立つ! -
第4回
ゲーム・ホビー
エンジントラブルのメロンランサー、7位でフィニッシュ!【動画あり】 -
第3回
ゲーム・ホビー
メロンランサー、予選は堂々の3位通過!【動画あり】 - この連載の一覧へ