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痛車でラリー! メロンブックスランサーの挑戦! 第12回

ド迫力の営業車! メロンバンができるまで

2009年12月06日 19時00分更新

文● 河村椎祐

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ラリーのサポートカー兼営業車が誕生!

 今回もまた、1台のラッピング車両が世に送り出される瞬間に立ち会うことができた。今回オーダーを出したのは、同人誌や同人グッズを全国で販売している株式会社メロンブックス。そう、初音ミクGTと共にASCII.jpがフィーチャーしている、あのメロンブックス・ラリーチャレンジのスポンサー企業だ。今回はこの「メロンバン」を取り上げると共に、その誕生までの軌跡を紹介しよう。

ベース車両はトヨタのハイエースロング。これまで関東各地のメロンブックス各店を巡ってきた車だが、まるで新車のように外装の状態が良い。やはり傷が多くついているボディよりも、ピカピカのボディのほうが施工もやりやすいだろう

 そもそも、なぜメロンブックスはラッピング車両の製作に踏み切ったのか? 実は、これまでメロンブックスが所有する配送車は、いずれもマーキングが何も施されていない無地のバンだった。過去にはメロンブックスのロゴが入ったバンを使っていたそうだが、某名作の限定書籍をお店に運び込んでいた時に、その作品の熱心なファンに商品を運んでいることがバレてしまい、配送車が取り囲まれてお店への搬入ができなくなってしまった事件があったのだとか。

 転機が訪れたのは今年の新城ラリー。グッズの出張販売のため会場へ行った際に、メロンブックス・ランサーに施されたマスコットキャラ「めろんちゃん」の看板としてのインパクトに度肝を抜かれたのだという。そこで、これからも各イベントでの出張販売を計画している関係上、その機材の運搬車もランサーと同じく「めろんちゃん」のカラーリングを施して、ランサーに負けないくらいの看板としてのインパクトを追求しよう、となったのである。

工程の進捗にあわせ、同時進行で各ステッカーを作り上げていく。別室に据えつけられた大型プリンターが大活躍だ

デザイン画は、あくまで全体像を把握するためと大まかな位置決めをするためにある。詳細な位置決めは、実車を前に細かなすりあわせをしていくのだ

 ベース車両はトヨタのハイエース。メロンブックスは商品の仕入れ用に関東に3台、関西に1台のバンを所有しているが、この車は関東近県で活動している中の1台という。今回のラッピング車両化で否応無くメロンブックスの配送車だとバレてしまうので、これから前述のような混乱を避けられないのではないか? そんな記者の問いに、同社の担当氏は「人気商品や限定商品を運ぶ際には、これからは他の無地の配送車を使うことにします(笑)」と答えてくれた。

 カラーリングデザインと施工を手がけたのは、奈良にある「T.S.Craft」。レースマシンのカラーリングを中心に活動しているショップで、関西の競技界では知る人ぞ知る名匠。かくいうメロンブックス・ラリーチャレンジの2台、昨シーズンのシティと今シーズンのランサーのデザイン&施工も、ここ「T.S.Craft」で行なわれた。代表の角氏によると、ハイエースのような1BOXへの施工はそれほど経験が無かったそうだが、そこは数多くの競技車両を手がけた経験を活かして施工したそうだ。

 さて、デザイン画を横に置いて、いよいよ施工開始だ。今回のハイエースはもともと白無地だったため、洗浄などの下処理も比較的短時間で済ませることができたようだ。別室にあるプリンターで次々とステッカーを打ち出しながら、手早く位置決めが行われていく。ドアノブとの干渉やボディラインとの整合性など、デザイン画では判らなかった細かな点を、少しずつ修正しながら慎重に位置決めしていくのである。

ドアノブを取り外したほうが施工がやりやすい場合があるが、その判断はボディラインからどれだけ外に飛び出しているか。今回はボディラインとドアノブの高さがほぼツライチだったため、ドアノブを外さずにそのまま施工していた。また銀色がアクセントになるため、ノブの上には貼り込まずにその部分だけ切り抜いている

トヨタエンブレムは特殊な両面テープでボディに貼り付けられているため、慎重に剥がしてから施工。貼り込んだあとで再び上から両面テープでエンブレムを貼り付けている

(次ページへ続く)

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