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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第78回

iPhone 3GSは持つ人がカルチャーを切り開くデバイス

2009年06月30日 16時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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今週の1枚

【今週の1枚】その1・iPhone 3GS(上)とiPhone 3G(下)。外観の違いはただ1つ、iPhone 3GSはiPhoneと容量を示す文字がAppleロゴと同じように鏡面仕上げに変わっている点だけだ

 日本では6月26日に発売されたiPhone 3GS。表参道のソフトバンクショップでは前夜祭が開催され、発売イベントには上戸 彩さんも駆けつけるなど多いに盛り上がった(関連記事)。

 しかし昨年のiPhone 3G発売とは少し雰囲気が違う。すでにiPhoneの話題の中心は端末のデザインやユーザーインターフェイスの革新性から、「ゴールドラッシュ」とも語られているスマートフォン関連ビジネスへとバトンタッチされたように感じる。

 とはいえ、新しいiPhone 3GSには魅力が十分に確保されている。ビジネスの話はまた今度にするとして、今日はコンシューマーにとって大切な2つの機能について触れたいと思う。まずはその前にファーストインプレッションを少しだけ書いておこう。

3Gと3GS

iPhone 3GからiPhone 3GSへ機種変更をした。ソフトバンクショップでは契約の変更だけで、iPhoneの登録と過去の端末からの復元は、手元のiTunesでする必要がある。中に入れている容量にもよるが、完全なバックアップと復元で1時間程度見ておいた方がいい

とにかく本当に速くなったiPhone 3GS

 PCの世界ではCPUのクロック競争は一段落しつつあり、アーキテクチャや消費電力、OSの64ビット化など、高速化への外堀を埋めるプロセスにある。しかし、今回のiPhone 3GSの売りの1つはクロックスピードとメモリ容量だ。

 iPhone 3Gを3.0にアップデートして1週間使ってからiPhone 3GSを使い始めると、おなじみのロック解除の瞬間からして「速い」と感じる。ロックを解除するとアイコンが外側から集まってくるアニメーションがあるが、アイコンが揃う瞬間的ななめらかさが違っている。もちろんスピードを感じるのはこのような部分だけではない。

 実は3.0にアップデートしたiPhone 3Gでは、僕がよく使っているアプリがうまく動かないことがあった。TwitterやFlickrと連携できるジオ・タギングアプリ「BrightKite」は、3.0にしたら日本語入力がうまくいかなくなる問題が起きていた。他にもいくつか問題があったアプリも、iPhone 3GSでは問題なかった。また、日本語入力全般でもスムーズである。

 3Dのライブラリである、OpenGL ESを活用したゲームなどは、さらにそのパフォーマンスに驚かされるだろう。楽しみだ。それにもかかわらず、電池の持ちが改善されている点はありがたい。iPhone 3Gを使っていたときは補助バッテリーを用意したり、夜寝る前に必ず充電することを確認していたが、そこまでバッテリーにシビアにならなくなった点は、気軽につきあえるケータイとしての側面を増したのではないだろうか。

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