Caspianの低消費電力版「Athlon Neo II」
さらに、Caspianコアのうち低消費電力で動くものが、「Geneva」コアとして2010年に「Athlon Neo II」の名称でウルトラポータブル市場に投入されることになるだろう。2010年1月の展示会「International CES 2010」に搭載製品が展示されるという情報から考えると、登場時期は2010年1月ではないかと想像される。動作周波数などはまだ不明だが、現状CPUで18WまでのTDPが許容されているから、おそらくこの枠内で動作するようなラインナップになると思われる。
ちなみにロードマップ図では、Huron/Genevaコアを使ったSempronを記述しているが、これは「AMD Sempron ASB1 Processor」(関連情報1)という、組み込み用途をメインとした製品のことだ。今までは「Geode NX」(関連情報2)というK7ベースの製品が投入されていた市場向けとなる。組み込み用途向けとのことで、一般的なノートパソコンでの利用はあまり考えていないと思われるが、ニーズがあればこれらを搭載することもありえる。
これに続き、2010年中(6月位か?)には、前ページのスライドにもあった4コアのChamplainコアが、おそらくは「Turion II X4」といった名称で登場すると思われる。ただし、メインストリーム向けのノートに入れるとなると、どうしても動作周波数はかなり低めにならざるをえない。おそらくは1.6GHz前後、がんばっても2GHz行くか行かないか、というあたりではないかと想像される。
謎が残るのは、このCPUがCaspianの延長、つまりモバイル向けに別途4コアのCPUを作るのか、それともデスクトップ向けの「Propus」(Athlon II X4)コアの低消費電力選別品を、Turion IIブランドで出すのか不明なところだ。出荷数量的にも多くは見込めないし、2011年にプラットフォーム全面刷新を考えているとなれば、あくまでもChamplainはワンポイントリリーフで、それだけのために新規にダイを起こすとは考えにくい。そのため筆者は、このChamplainのみPropusを流用するのではないかと、想像している。
今回のまとめ
・Lancaster=K8世代の90nm シングルコアCPU「Turion 64」、Taylor/Trinidad=Lancasterと同世代の90nm デュアルコアCPU「Turion 64 X2」。
・Richmond=Lancasterの改良型シングルコアCPU「Turion 64」、Tyler=K8世代の65nm デュアルコアCPU「Turion 64 X2」。
・Lion=K8ベースのモバイル専用デュアルコアCPU「Turion X2」、Sable=Lionのシングルコア版CPU「Sempron」(1コア無効化)。
・Huron=Lionのシングルコア版CPU「Athlon Neo」(1コア無効化)、Conesus=Huronのデュアルコア版CPU「Athlon Neo」。
・Athlon NeoはAtom対抗のため急遽担ぎ出された。TDPはAtomよりだいぶ多いが、デュアルコア版でもTDPはあまり上がらずに済んだ。
・2009年中に、K10アーキテクチャーで45nm SOIプロセスの「Caspian」が登場。キャッシュ減量版や1コア無効化版「Sargas」も登場予定
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