ホームポジションでは使いづらいタッチパッド
アイソレーションに見えてそうじゃない?
さて、操作感の評価で重要なキーボードやタッチパッドはどうだろう?
サイズ的には合格だ。19mmのフルピッチで、極端にサイズが変えられているキーもない。だが操作感となると、正直かなり厳しい点をつけざるをえない。
キーボードはEnterキーの右に[Roll Up][Roll Down]などが1列追加されたタイプ。筆者はあまり好きではない。だが、問題はそこではない。
キーボード面の写真をよく見ていただきたい。注目する場所は[F]および[J]キー。すなわちホームポジションの位置である。
一般的なキーボードでは、ホームポジションはおおむね中央からほんの少しだけ左よりになる。Timelineでは、これがさらに左に寄っている。ところがタッチパッドは、完全に本体中央に配置されている。
左人差し指を[F]、右人差し指を[J]に置くと、左の親指は見事にタッチパッドの左に出てしまうのである。タッチパッドを右の指で使うクセのある人には問題ないのだが、左の指で使うタイプの人は、ホームポジションから指をずらさないと、タッチパッドを操作しづらい。
問題はタッチパッドのボタンにもある。ボタンは左右に分かれておらず、一本のスイッチの左右どちらを押すかでスイッチを押し分けるタイプとなっている。デザイン的な配慮なのか、ボタンの手前は窪んでえぐれたようになっており、指をかなり押し込まないとボタンが押しづらい。上端のとがった部分を押すように操作するのが現実的だが、かなり慣れが必要だ。またすでに述べたように、タッチパッドとキーボードの横方向のずれが大きいため、左の親指ではボタンが押しづらい。
ネットブックに比べれば大きいタッチパッドを採用しているが、Timelineのタッチパッドはさほど大きなものではない。左右にもう一回りずつ大きければ、このような問題は発生しなかったはずだ。もしくは、右端のキー列をなくし、左端のキーサイズをすこし大きくして、全体を右にずらしても解決できたはずだ。「美観は重視しても操作感は重視しなかったのではないか」と思える。
キータッチそのものは、決して悪いわけではない。底がふにゃふにゃしたり、キーがグラグラしたりすることもなく、かっちりとした打ち心地だ。見かけは最近増えてきたアイソレーションタイプのキーボードに見えるが、実際の構造は一般的なキーボードと同じである。
アイソレーションタイプのキーボードは、穴の開いた板からブロック状のキーを「飛び出させる」構造だが、Timelineのキーボードはそうではなく、一般的なキーボードと同じ構造だ。キートップを平らにして、キーの中心軸で支えるようにした結果、キーとキーの間隔が開き、アイソレーションタイプのキーに見えているのだ。
キー同士の間隔が開いて、隣のキーをタイプしにくいという利点は両者とも同様だが、この構造では開口部が多いため、ホコリやゴミが一般的なキーボード以上に入りやすい。本来アイソレーションキーボードはキーの間を掃除しやすいのが利点なのだが、このキーボードでは逆になっている。
この点でも、美観優先だが使い勝手では劣る、という欠点は共通である。
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