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ラジオ編――「ローカルラジオ番組×大阪のおばちゃん」のメディアミックス 

2007年02月28日 09時00分更新

朝日奈 ゆか/株式会社ユンブル 代表取締役

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ラジオだから成立した、大阪の通りすがりおばちゃんの宣伝力

 少し前になりますが、大阪の某ラジオ局が放送していた「大阪のおばちゃん特集」で、「その豹柄のパンツ、えらい似合ってはりますね」と女性アナウンサーに街頭インタビューされたおばちゃんが
「ああこれ? これなあ、娘にネットで探してもろてこうてん(「買った」の意。念のため)。流行に遅れたらあかんやろ。ええでこれ、何回洗濯してもクターッとなれへんし、色もいけてるやん。ほんでまた安かったで、アンタ。人にもすすめれるし、せや、アンタも買うか? ○○○ショップって言うねん。サービスで靴下までついとってんで。アンタも買うたりぃな…(延々続きますが、以下省略)」と話しているシーンがありました。アナウンサーもつられて、
「え? 買う、買う。欲しいからそのお店、教えて、おばちゃん」。

 番組というよりは、ほとんど近所のおばちゃん同士の会話でしたが、「出た、こんなおばちゃんおるわ、近所にも」とツッコミを入れながらも番組に引き込まれ……。ちなみに、大阪のおばちゃんファッション=豹柄、は定番です。
 この後、スタジオに帰ったアナウンサーがそのお店のウェブサイトを見て、
「こんなにたくさんの豹柄があるのですねえ…」と、豹柄の品評をはじめました。
 翌週の同番組では、
「あのネットショップでは放送後3日で、豹柄パンツ7種類が全品売り切れたそうですよ。今も入荷待ちのお客さんがようさんいてはるとか。店長さんから“おばちゃんにお礼が言いたい”と連絡がありました。先週のおばちゃん、番組まで連絡してください!」と呼びかけていました。恐るべし、大阪の通りすがりおばちゃんの宣伝力。
 長い前置きですが、何が言いたいか。はい、これぞまさしく「ラジオ番組とおばちゃんのメディアミックスだ」ということです。

 このショップは偶然にもおばちゃんの宣伝力に便乗できたわけですが、どう考えても、地方のラジオ番組だけで成立する話しの流れですね。第15回ではローカルテレビ局がねらい目だといいましたが、さすがにテレビではここまで細かくベタな内容は放送できないでしょう。

コミュニティFM局に情報を売り込もう

 いうまでもなく、ラジオ番組はテレビ番組に較べてはるかに、地域密着の情報を放送しています。特に、‘90年代から全国に生まれ始めたコミュニティFM局などは、地域のおいしいお店、流行のファッショングッズ、街の面白い人から、「今日のお得なランチ情報」「明日の14時~17時まで半額になる買い物スポット」まで、視聴者にとって有益な街のエンタテインメントや生活情報を、天気予報のごとく時々刻々とオンエアしているのです。

 当然、テレビより視聴者の数は大幅に制限されますが、それだけに視聴者の興味をひくニュースをつくれば、小さなネットショップの情報でも紹介される確率は高くなります。あなたのショップが通販専用サイトでも、運営している事務所がある地域のラジオ局なら話を聞いてくれるはずです。もちろん、コミュニティFMに関わらず、タウン情報を放送している地方局ならどの局でも、売り込み先、プレスリリースの送り先の選択しに加えてください。

 日ごろからそのラジオ局の「地域情報紹介番組やコーナー」をよく聴いて、さらに局の公式ホームページを熟読すると、その局が「今、求めている情報」を察知できることがあります。あなたのショップのサービスや商品を番組で喜んでもらえるようにアレンジしたニュースをつくり、ドンと売り込みに行きましょう。
 まずはプレスリリースなどの資料をメールか郵送かFAXのどれで送付するのか、ファーストコンタクトの方法を考えます。たいていの場合、メールよりも電話をして、
「当社の情報をお届けしたいのですが…」と切り出すほうが局側の感触をつかめていいはずです。話がスムーズに伝わらなかったり、何度電話をしても担当者不在のこともありますが、あきらめずへこまず、一度のコンタクトでいきなりうまくいくことのほうが珍しいのですから、再チャレンジしてください。

 ニュースの切り口としては、繰り返しいいますが、「視聴者のメリットを考えた商品やサービスを提供すること」が最大ポイントです。「○○番組を聴いてサイトに来店してくださったお客様だけに○○をプレゼント!」など、あなたのショップなりに、紹介してほしい番組を盛り上げるニュースを考えて持って行きましょう。

 コミュニティFM局はここしばらく、毎年7~10局のペースで開局していましたが、2006年は15局もが開局して、現在は201局に達しました。東京、大阪、名古屋、福岡などの大都市圏でもその人気は高まっていると聞きます。
 東京を例にとると、中央区で銀座情報を中心にオンエアするGinza'RADIOCITY(中央エフエム)や渋谷中心のSHIBUYA-FM (渋谷エフエム)がオシャレ系として知られ、江東区のレインボータウンFM―大江戸放送局は、8時~22時は公式ウェブサイトからスタジオの映像とともにインターネット上でもオンエアし、「見せるラジオ」として勝負。どこからでも聴けるようにしています。このスタイルをとる局なら、あなたの情報を持ち込んでみるのに適しています。

 同局の社長の小嶋映治さんはこう話します。
 「コミュニティ放送こそ生放送をしなければならないのですが、その理由は、平常時には生活に役立つ楽しいラジオであり、また非常時は、ピンポイントの災害情報ツールになるという点です。どこそこの駅で電車が止まっているとか、リスナーから情報を得るとすぐにオンエアできるのがコミュニティ放送のいいところです。生放送の最大のメリットですね。  
 うちの局ではインターネットでも生放送を流しているので、札幌の天気を毎日送ってくださる人などもいて、全国のリスナーからエンタテインメントやマニアックな情報までなんでも届きますし、大歓迎しています。
 商品情報の場合は、内容や流通について調べてからオンエアしますが、お菓子が届けば番組中にDJが食べながら紹介したり…(笑)。特にCMを出してくださった場合は、1日1番組内で必ず食べていますね(笑)。化粧品なら、塗ります(笑)。リスナーにとって良いと思われる情報があればどんどんメールやFAXで送ってください」。
 あなたの商品もぜひ、番組内で食べたり塗ったり着たりしてほしいですね! ネットショップオーナーにとって、コミュニティ放送局はとても身近な媒体であるわけです。

東京都渋谷区の「SHIBUYA-FM (渋谷エフエム)」

東京都江東区の「レインボータウンFM―大江戸放送局」

 ただし、ラジオ番組も広告で成り立っている媒体であることをお忘れなく。売り込みに行った際に、「CMを出してくださいよ」と逆宣伝されることが多々あります。その場合の対応をあらかじめ考えておきましょう。各局のウェブサイトには、CM料金表がアップされていることがあるので、目を通しておくとよいでしょう。
 コミュニティFMの広告出稿料金はそう高くはなく、局のスタッフは親身に相談に乗ってくれることが多いようです。むろん宣伝する商品にもよりますが、実店舗がある場合は広告の打ち出しを考える機会としてとらえてもよいと思います。また、局のウェブサイト上に通販ページが設けられていることもあり、あなたの商品と何らかの接点が生まれるかもしれません。

 日本コミュニティ放送協会のサイトには全国のコミュニティFM放送局一覧がアップされています。また、日本ラジオ広告推進機構のサイトには、ラジオ用語集や県域局の広告料の目安情報が掲載されているので参考にしてください。

著者プロフィール

名前 朝日奈 ゆか info_email_01[アットマーク]yumble.com
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ユンブル
サイト http://www.yumble.com/

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