2月と8月は、モノが売れない時期だとあらかじめ覚悟を決めておく
盛夏、まっしぐらですね。前回の第27回の最後に、「次回は取材当日に“記者が困る三大要素“についてお話しましょう」と書いたのですが、今回は時節柄、休題として、この季節にもっとも問い合わせが多いことについてお話しておきましょう。
8月にネットショップのオーナーたちから相談されることのほとんどが、「モノが売れなくて商売あがったりですわー。何かいい手はないですかねぇ」という声です。暑いわ、売れないわ、休みづらいわ、で、ニュースリリースを作る気力などとてもないそうです。
日本では昔から、「2月と8月は商売が停滞する」といわれていますね。魔のニッパチ、キョーフのニッパチ。でもニッパチは倒産や清算の確率は低いそうで、いつが多いかというと、晩秋のころ。ニッパチを引きずって立ち直れず、秋も深まるころには年末を前にして気力体力ともに下がってとうとう終わり……となるのでしょう。
ただ、商売というのは不思議なもので、一年中モノが売れていても、それはそれでやがてひずみが出てくるものです。多忙過ぎて事故が起きるとか、内部分裂が起こるとか、儲けに走って不正を繰り返すとか、幹部が過労で倒れるとか、よく聞く話ですね。
モノが売れない時期とは、じつは、いつも前向きに努力している会社にとっては必要な、自然の流れに即したバランスをとるための時期なのです。
こういうときにまず、いちばんしなくてはいけないことは、あらかじめ、「2月と8月はモノが売れない時期なんだ」と覚悟をしておくことです。そして、この時期の過ごしかたこそが、次のチャンスにつながっていくのだ、と考えましょう。ニッパチの月だけでなく、長い流れで考えて、数年に一度は来る「停滞期」も同様です。
商売が停滞する時期には、ひたすら勉強をする!
ではこの時期は、具体的にどんなアクションをおこせばいいのでしょうか?
たったひとつ。それは、「勉強をする」ことです。
アカン、アカンと嘆いている場合ではありません。オーナーにとって、勉強しなければならないことは山のようにあります。ショップの経営について、ホームページのリニューアルや経理のこと、近い将来の計画、スタッフの適材適所、在庫処分の方法、商品の見直し、PRの手段についてなど、すべて勉強しなおしたいことばかりです。
本を読みあさり、ネットで情報を集め、商いの先輩や知人、専門家に相談し、セミナーに参加して人の話しに耳を傾ける。顧客やスタッフとコミュニケーションをとり、経営のシミュレーションをする。動いているうちに、売上げが足りない、という不安がいつしか勉強への集中力に変わり、やがては新しいアイデアが浮かんできます。起業を志した気概あるオーナーならば、停滞期を乗り越えてより強い体質をつくることができるはずです。
勉強を怠らなければ、必ず商いの風は上向きになり、次の勝負時のタイミングを見はかることができます。
さらにこの時期こそ、次に売り出したい商品のPRについて考え、ニュースリリース制作について勉強し、制作しておくべきです。第21回で詳説したとおり、「マスコミに売り込むには、大型連休のあとがねらい目!」です。お盆の休み明けは、マスコミが情報を待っている時期ですよ! 秋以降に売り出す商品については、もうPRの用意はできていますか?
次のチャンスに備えるには最高の時期、それが8月なのです!
著者プロフィール
名前 | 朝日奈 ゆか | info_email_01[アットマーク]yumble.com |
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