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取材当日。記者に興味を持ってもらう受け応えとは?!

2007年08月01日 09時00分更新

文●朝日奈 ゆか/株式会社ユンブル 代表取締役

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取材開始。最初の3分以内に記者が感心を示してくれるかどうかが勝負

 いよいよ、取材の日がやってきました。用意は整っていますね。といっても、緊張することはありません。記者はみなさんの商材に対してあれこれ質問を重ねますが、あくまで、あなたの商材に関心を持って取材に来てくれている、ということを忘れないでください。
 1件の取材にかける時間は、新聞や雑誌なら40分~長くても1時間程度です。そのうち、記者があなたの話しに興味を示すのは最初の3分間程度だと心得ましょう。記者も一般のお客さんも、興味関心の心理は同じ。興味が湧くかどうかを一瞬で判断しますが、記者の場合、興味がなくても取材を申し込んだ以上は仕事として、3分ほどは「興味をもとう。何かいいところを探そう」と話を聞いてくれるでしょう。

 その3分間に、あなたは商材の特徴をうまく説明できるでしょうか。商材のオリジナリティについて、具体的根拠をもって伝えることができるかどうか、関心をひけるかどうか。トークのテクニックを言っているのではありません。
 そのコツはひとつ!

 いきなり、「じつはプレスリリースには明記していないのですが、せっかく取材に来ていただいたので、記者さんにだけはお教えします。この商材には……」と、特別なニュース性を感じる情報を提供することです。すると、記者は「ん?」と耳を澄まして聞いてくれるでしょう。それが企業秘密であればあるほど、興味を持ってくれるはずです。
 取材の時に、プレスリリースに記述したことと同じ内容の繰り返しになってしまっては、時間をつくって取材に来てもらった意味がありませんね。

記者には、惜しげもなくヒミツ情報を差し出そう!

 つまり、取材に来てくれた記者に、「あなたの会社がどれだけの情報をオープンにできるか」が勝負どころなのです。その情報がライバル社に聞かれたくない情報であるほど、価値を持ちます。マスコミに公表するということは、全世界に向かって発表していることになるのですが、ちょっと待ってください。あなたの商材に注目してくれる人は、その中でどれほどいるのでしょうか?
 はい、ほんの一握りです。もしかすると、一握りにも満たないかもしれません。せっかくの、多くの人にふり向いてもらうチャンス到来なのだから、ライバル社にゲットされては困るようなヒミツこそ、この際、オープンにするべきなのです。

 ライバル社に知られて困ることなど、お客さんにすれば何の関係もなく、また、じつはそんなことは単なる思い込みに過ぎず、相手にとってはどうでもよいことである場合が多いものです。
 さあ、ドンとかまえて、記者が喜ぶ情報を話してあげてください。今までヒミツにしていた情報を惜しげもなく差し出すあなたの姿勢とその情報こそが、わざわざあなたの会社に足を運んでくれた記者への最大のおみやげになるのです。

 記者が「あ、そんなことまで教えてくれるのか。これは話題になるな」と思えば、メモをしていた手がとまって顔があがり、目はキラリと光り、ツッコミがはじまります。興味を持ってくれた証拠です。
 これに真摯に応えていくと、あなたにとっても記者にとっても、良質な記事に仕上がっていくでしょう。それは記者の力量によるばかりではなく、あなたがどこまで情報を提供できたか、によるものなのです。
 そして、記者は内心、「力量の大きな会社だな。伸びるだろうな」と思っています。応援したくなる心理も働き、次の取材にもつながっていくでしょう。機密として情報を抱え込んでいるより、情報を開示して記者にあなたの会社やショップを応援してもらうほうが10倍、100倍と得ですね。

 逆に、我々も経験がありますが、時間をかけて勉強しつつ取材に行っても、「企業秘密なのでそれは言えないんですよ」とか「それはちょっと…」など、何を聞いてもすでに誰もが知っていることしか話さない会社もあります。記者としては行ったカイもなく、こちらは内心、「あ、取材先を間違った。無駄足だった。これは没だな」と、取材を申し込んだことを後悔します。
 一般のお客さんがまだ知り得ていない情報をゲットするのが記者の仕事です。その彼らの仕事心を推察し、その心をくすぐる方法に出てください。記者とのパイプも築かれていくことでしょう。

 次回は、「取材当日に記者が困る三大要素」についてお話ししましょう。

著者プロフィール

名前 朝日奈 ゆか info_email_01[アットマーク]yumble.com
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ユンブル
サイト http://www.yumble.com/

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