前回までにプレスリリースをつくる準備が整いました。
次に、書面化に進みます。受け取った編集者や記者が読みやすく、保存もしやすい状態を考えて、A4書類を縦位置でレイアウトし、5枚~8枚程度でひとまとまりのプレスリリースとするのが一般的です。
以下に、構成の例をあげます。主婦がネットショップ(ビーズが咲いたよ.com)を開設し、自ら作成したプレリリースです。その後、マスコミにとりあげられて好評を博しています。
1ページ目……表紙
伝えたいニュースのタイトルを印象的なことばで、ドン!と大きく記してください。
たとえば、フラワーショップの開設を告知したい場合、「花と緑の専門店~アスキーショップ 開設のお知らせ」などと記すところですが、できるだけ特徴を押し出したキャッチコピーをつけるようにしましょう。
「あなただけのガーデニングプランをサービス! 花と緑の専門店~アスキーショップ 開設のお知らせ」などとうたったほうが、記者たちの目にはとまりやすいからです。視覚的にひと目で何がニュースなのか、とわかってもらえるような、看板のようなキャッチコピーとレイアウトを意識してください。
また、ヘッダー部分には、「Press Release」「NEWS RELEASE」「報道資料」などと入れます。この書類がプレスリリースであることがわかるための目印です。
他に、発行した日付、会社名、店名、URL、ロゴなどを入れ、発行者を明記しておきます。レイアウトにルールはありませんが、これらは図のように書類の下部に入れると記者側が読みやすいですね。
商品に特徴がある場合は、写真を入れてみるのもいいでしょう。
2ページ目……中面 あいさつ文、ショップの紹介、ホームページの紹介、起業や開発ストーリー、業界情報など
中面にあたる部分は、何ページに何を入れる、というルールはなく、形式も自由です。ここでは一例を紹介しますので参考にしてください。
あいさつ文では、表紙に書いたニュースのキャッチコピー(アスキーショップ開設のお知らせ)についての内容を説明し、「なぜこの資料を発行するのか」を明確にします。文末には、「ぜひ、御社の雑誌にてお取り上げいただけますようお願い申し上げます。」「貴誌にてご紹介いただけますよう~」など、率直にお願いの文言を一文、入れておきましょう。あいさつ文はあまり長くならず、5行ぐらいまで(200~250字前後)でさらりと記すのがポイントです。
次に、ニュース内容の紹介に入ります。例えばショップのオープン情報であれば、ショップと取扱商品について5W1Hを整理しながらわかりやすく記述します。商品ラインナップ、商品名、価格、どういう商品か、その特徴……などを記したうえで、写真やイラストを添えましょう。
あなたのショップがネットだけで展開している場合、ホームページが命となるため、各ページを簡単に紹介しておくのもいいでしょう。忙しい編集者や記者が、URLが書いてあるからといってアクセスしてくれるとは限りません。このプレスリリースを見るだけで、ホームページの概要がわかるようにしておくのは賢い方法です。
ここで気をつけたいのは、ホームページを書面で紹介する場合、ネットショップのオーナーとして力が入りすぎ、宣伝一本やりの表現に走ってしまうことです。書類にして1枚、多くても1枚半程度に収まるように、簡潔な紹介を心がけます。
「記者に情報を提供する」という第三者的な視点でプレスリリースをつくる姿勢こそが成功の鍵です。
さらに、「業界情報」を付け加えると、上質なプレスリリースになります。どんなジャンルのショップでも、一般には知られていない業界の常識、知識があるはずです。記者があなたのショップを紹介するにあたって、記者があなたの業界を理解しやすいように、業界の知識のポイントを記してください。これには、「自社宣伝ばかりでなく、おしみなく情報の提供を行ないます」という姿勢を見せる意味合いもあります。象徴的な写真やイラストを添えるとさらに丁寧な情報になるでしょう。
また、ネットショップのオーナーの起業に関するドラマ、商品の開発ストーリーなどを付け加えることも興味をひきます。これについては、のちの回で解説します。
最終ページ……お問い合せ先を大きく
- 記者からの問い合わせ先の住所
- 電話
- FAX
- メールアドレス
- URL
- 担当者の氏名をフルネーム
を記します。
そのうえで、記事として紹介にいたった場合に掲載してもらう住所、電話、FAX、メールアドレス、URLも記しておきます(こちらは担当者名は不要)。
ここで前回に引き続き繰り返し注意したいのは、「ネットショップだからといって、マスコミからの問い合わせ先に、住所や電話を省略すると信用を落とすだけ」ということです。自宅であっても、記者からの問い合せ先には必ず、所在地、電話などを明記しましょう。
以上の構成例のうち、表紙と最終ページは、プレスリリースの書き方としてこのように記すのが定例となっています。記者もこの形で読み慣れているため、このパターンを踏襲してつくりましょう。
次回は引き続き、文章の書き方のポイント、推敲のしかたなどを詳述します。
著者プロフィール
名前 | 朝日奈 ゆか | info_email_01[アットマーク]yumble.com |
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