商売をしていれば避けて通ることができないクレーム対応。メールで気軽にクレームをつけることができるネットショップでは、対面販売に比べクレームが多い状況にあるようです。ところが、「いつだって忙しいのにクレーム対応なんて面倒で後ろ向きで嫌な業務はやりたくない。」そんな気持ちから対応を後回しにしていると、お客様への対応が遅れて取返しのつかない事態を招きかねません。
具体的には次のような事態が考えられます。
- お客様は自分のクレームに対して素早く対応して欲しいと思っているため、 対応が遅れるほどお客様の怒りが増し、解決が困難になる
- 製品そのもの、あるいは製造過程にクレームの原因がある場合は、 対応が遅れれば遅れるほど不良品を多く出荷してしまい、後で収拾のつかない状況になる
- クレームの対応にまごついているうちにお客様が不信感を抱き、二度と来店してくれなくなる
- クレーム対応が遅れることで担当者一人の責任だけでは済まされないほど甚大な被害を会社に与える結果となる
即ち、クレーム対応が遅れれば遅れるほど問題は大きくなるのです。クレーム対応に於いてもっとも大切なことは、すべての業務に優先して行わなければならないということです。
変化しているクレームの質
従来は商品の品質に関するクレームなどが多かったのですが、最近では、顧客対応に関するクレームが増えてきているように思われます。顧客満足を重視するようになると、顧客対応に於いて顧客の全人格を認めてあげること、もしくは自分を大切にしてくれたという気持ちにさせてあげることが必要になります。
このようなサービスが今や当たり前になりつつあるため、近年クレームの質が大きく変わってきていると言われています。顧客が求めている満足の内容が、製品自体の品質の他に自分を正当に扱ってほしい、自分を認めてほしいという欲求に変わってきているのです。その欲求が満たされないと、クレーマーはショップに対して罵倒を浴びせかけることになるのです。
効率的なクレーム対応のために
このような状況下で、クレーム処理を考える際に見逃してはならない問題点は、スタッフの精神的負担です。そして、そのことに気づかないために、クレームへの対応を間違え、収益が悪化し、クレームに対応したスタッフが大きな精神的負担を強いられる状況になっているショップもあるのではないでしょうか?
商品の品質が原因のクレームであれば、クレームを受けた人も自分の人格と切り離して考えることができます。しかし、「あなたの対応が悪い」と言われると、クレームを受ける人の精神的ダメージは相当なものです。人によっては精神的に病んでしまうかもしれません。
ところが、そうしたクレームの質の変化に気づいていないために、スタッフの精神的負担の軽減を図ろうともせず、スタッフに根性論を押し付けているショップは少なくありません。
皆さんもご存知のように、クレーム対応にはある程度パターン化された対応のテクニックがあります。ベテランのスタッフであれば、その辺りの機微を身につけているはずですので、それを他のスタッフが応用できれば、クレームが来る度に「どうやって答えようか・・・?」などと悩む必要はなくなるのです。
即ち、クレーム対応用のメールの雛形(テンプレート)を用意して、それを全スタッフで共有しておけばいいのです。簡単なことですね。
また、クレームをいただいたお客様とのこれまでの対応履歴を、誰でもがすぐに把握できる仕組みづくりも重要です。素早いクレーム対応が重要であるということは上述のとおりですが、クレームのメールが来てから対応履歴を調べるのに時間がかかっていると、その間に怒りの電話がかかってくることもしばしばです。
以上のように、クレーム対応メールの雛形と対応履歴の2つを全スタッフで共有できれば、スタッフがクレームに対応する際の精神的負担を軽減しながら、お客様の怒りを増幅させることなく、効率的にクレームに対応できるようになるのです。
もし、クレームメールへの対応にお困りでしたら、まずはメールの雛形の共有からはじめてみては如何でしょうか?それだけでも対応スタッフの方の肩の荷がおりるのではないかと思います。
著者プロフィール

名前 | 横山 慎一郎 | maildealer[アットマーク]itboost.co.jp |
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会社 | 株式会社アイティーブースト | |
サイト | http://www.maildealer.jp/ |