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マイクロソフトの新プラットフォーム“Ultra-Mobile PC”について語る

マイクロソフトの新プラットフォーム“Ultra-Mobile PC”について語る

2006年04月24日 00時00分更新

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SmartCaddieのここに期待、ここの改善を!

[小林] 今回はOrigamiのコンセプトを中心に話そうと考えていたのですが、SmartCaddieに関しても触れておきましょうか。率直に言ってどうですか?
[矢崎] デザインに関してはもう少しこだわってほしかった。それから、画面を縦にできないのも残念な部分。電子書籍を読んだりとかする際には縦位置のほうがしっくりくるはず。これはOrigamiが“タッチパック”っていう新しいインターフェースを採用したことが理由だそうです。左右を挟み込むようにして持つ、扇形の仮想キーボードを搭載したことも関係しているようですが。
SmaetCaddie 仮想キーボード
SmaetCaddie新たに追加された、扇形の仮想キーボード
[小林] 動作自体はキビキビしていて好感触なんですけどね。
[矢崎] 速度的な問題はあんまりなかったですね。ただ液晶ディスプレーの見栄えはもう少し考えてほしかった。縦方向の解像度が480ドットしかないのは大問題だと思います。1024×768ドットの画面を間引きして表示する機能も持っているけど、クリアーさに欠ける印象がある。そうかといって800×480ドットの設定だと、インストール時のダイアログが隠れたりする。
[小林] 画面表示は、エミュレーションで対応する形になっていますね。SmartCaddieの実解像度は800×480ドットなんだけど、ソフトウェアで1024×768ドットを表現している。アンケート結果を見ると、解像度以外にもバッテリー寿命や重量、デザインなどに対する要望が目立ちました。バッテリーに関しては、発表会場で「あと100g重くすれば、もっとバッテリーが持つようになるんですか」と質問したライターさんもいましたが。価格とかサイズを考えると難しい部分があったのかもしれません。
[矢崎] トレードオフになる部分ですよね。SmartCaddieと“VAIO U(VGN-U50)”を比較すると、価格は確かに安いんだけど、解像度の低さや、カードスロットを持たない点に、もの足りなさを感じてしまう。日本の場合、CF型PHSを使いたいというニーズが高いでしょうから。
[小林] 最近はLet'snoteに代表されるような、軽量で長時間使えるノートパソコンが増えてるから、そのへんとどう戦っていくのかは難しいかもしれません。NECや富士通も1kg程度の軽量ノートを発表してます。今回の製品は、かつてのLibrettoとか、FIVA、InterLinkみたいな製品を使っていた読者も関心を示しているようですから。
ビル・ミッチェル氏
UMPCの発表会で登壇したマイクロソフト副社長のビル・ミッチェル氏
[遠藤] ところで、マイクロソフトはOrigamiをバーチカル(特定分野)向けに売っていくと言ってるの?
[小林] 日本市場ではでは3つの大きなターゲットを提示していますね。ひとつは先進ユーザー。ふたつめがいままでタブレットPCが使われていたバーチカル、最後が教育市場ですね。特に教育市場は日本特有の市場として期待していると来日した担当者が話していました。
[広田] 先進ユーザーに売っていくためには、やや機能が不足している印象がありますね。例えば倍の値段の20万円だったとしても、これは欲しいと思えば買う層が相手になるので、中途半端な機能で低価格な製品よりは、高くても高機能な製品のほうが受けるはずです。逆に教育市場向けでは、ちょっと値段が高すぎないかと思う。
[小林] 性格が違う市場ですよね。マイクロソフトはOrigamiの発表に合わせてリファレンスデザインも紹介していますが、何となく中途半端な印象です。どの程度、拘束力を持つものなのかは分からないのですが。
[矢崎] 会見でも質問されてたけど、うまくはぐらかされたというか。解像度の設定などはハードウェアメーカーが自由に選択できるといった説明もありましたよね。マイクロソフトは、もっと小さなデバイスを作ることもできると回答していましたが。
[遠藤] リファレンスを提示すること自体はおかしくないと思うけどね。例えば、インテルのx86プロセッサーにも評価ボードがあるでしょう。普通のハードウェアメーカーはそれにしたがって製品を作っているだけの場合が多い。こういうものは誰かが青写真を示してあげないとうまくいかない。マイクロソフトはソフトメーカーだけど、そういう立ち回りもしているということでしょう。
[小林] パソコンの範疇が広くなったせいか、用途に適した“共通のプラットフォーム”を提示して、ブランド展開していくのが業界のトレンドになっている印象があります。“Centrino”とか“Viiv”とかはその代表例で、それに乗っかれば、どのメーカーもソフト込みで最低限のレベルの製品は作れる。でも、Windows XP Media Center Edition(以下MCE)を搭載したマシンは、日本ではあまり採用されていない。国内メーカーはMCEが登場する以前から、自社のマシンにテレビ機能を搭載していたし、使い勝手を吟味したソフトウェアも提供していますよね。こういうプラットフォームは、自社で独自にやれる技術力を持っているところから見ると、魅力に乏しいんじゃないかという気もしますけど。
[遠藤] Viivに関して言うと、インテルの石を売りたいっていう部分があるからね。新たなるウィンテルの世界ですよ。
[小林] Origamiに関して言うと、ソニーはもちろんだけど、最近元気な富士通とか東芝、NEC、日本HPとかにもがんばってほしい。小型マシンという意味では近々動きがあるかもしれない。でも、もっといいものが作れるという自信があるなら、必ずしもOrigamiにこだわる必要はない。ソニーはタブレットPCをリリースしていないけど、技術力のあるメーカーにどんどん参加してもらわないと、ユーザーの選択肢は広がっていかない。それはOrigamiにとってもマイナスになってしまうんじゃないかと思うのです。
[広田] あまりにも仕様が違うものを、Origamiというカテゴリーでまとめてしまうとブランドイメージが曖昧になります。その意味で“リファレンスが必要なんだ”とは思います。しかし、それに準拠したほとんど変り映えしないマシンばかりが市場に氾濫してしまうとしたら、それはそれで困った状況になってしまうと思うけれど。


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