サイベース(株)のブース |
7日から東京国際展示場(東京ビッグサイト)にて開催されている“第9回データウェアハウス&CRM EXPO”においてサイベース(株)は、テラバイト級のデータウェアハウスを使い同社のデータベースエンジン『Sybase IQ』をアピールするデモを行なっている。サイベース(株)では6日、サン・マイクロシステムズ(株)の協力のもと、同社の“iForce Solution Center Tokyo”にて米国サイベース社が提供する業種別データウェアハウス設計開発テンプレート製品を使い、『Sybase IQ』の効果を計測する公開デモを実施したと発表しており、会場でのデモはこの内容を分かりやすく解説するものとなっている。
『Sybase IQ』の技術ポイントは大別して以下の4点となる
- ビットワイズインデックス
- カラムワイズアクセス
- データ圧縮
- マルチプレックス
デモの説明によると“ビットワイズインデックス”は高速検索を実現する技術。独自のビットマップテクノロジーで数値・文字をすべてのデータをビットマップ化し演算や検索を通常のRDBMSの10倍から100倍以上にスピードアップする。データが増えてもレスポンスが落ちることがないという。 “カラムワイズアクセス”は、データを行単位ではなく列単位で書き込む。一般的なデータべース製品では、1レコード中に含まれるすべての列を一度メモリー上に読み込んでからCPUのパワーを使って必要な列の取り出し作業を行なう。しかし同製品では、必要な列だけを読み込み、ストレージにアクセスするだけで列の選択が完了する。これにより、本来CPUが行なっていた列の選択という作業をストレージというハードウェアに分担させることで、CPUはそのほかの作業に専念できる。
“ビットワイズインデックス”は高速検索を実現する。通常のRDBMSの10倍から100倍以上にスピードアップ |
“カラムワイズアクセス”は、データを行単位ではなく列単位で書き込む |
また、『Sybase IQ』はすべてのデータを圧縮してストレージに格納する。1TBの生データは従来のデータベース製品で作成すると3~6TBの容量を必要とする。これはインデックスやサマリーなどに容量が必要となるためだ、しかし同製品のデータの圧縮機能によって、従来のデータベース製品の実に1/5程度の領域しか必要としない。“マルチプレックス”はシングルイメージのIQデータベースを複数のノードから参照する機能。最初はシングルサーバー構成から運用を開始してもそのうちデータやユーザー数が増えた時、ノードを増やすことで段階的に投資ができるメリットがあるという。
データを圧縮するため、従来のデータベース製品の1/5程度の領域しか必要としない |
ノードを増やすことで段階的に投資ができる |
デモシステムは仮想のクレジットカード会社の顧客分析システムを採用。この企業のデータウェアハウスにはクレジットカードの顧客明細が10年分、100億件あり、サン・マイクロシステムズ(株)の“iForce Solution Center Tokyo”のマシンに格納されている。容量にして12TB以上のものだが、『Sybase IQ』の圧縮で5.6TBに圧縮されている。ちなみにセンターで稼動中のマシンはストレージシステム“Sun StorEdge”とサーバー“Sun Fire V880”。顧客情報で1998年を選択しカードの支払いがどのような用途に使用されたのかといった、データを検索するデモがスタートした。検索はあっという間に終わったが、その時間は約9秒というもの。「従来のデータべース製品では一晩かかることもあるだろうが、オンタイムで実施できる」とその速さがアピールされた。
サン・マイクロシステムズ(株)の“iForce Solution Center Tokyo”。ここに業種別データウェアハウス設計開発テンプレート製品を使って『Sybase IQ』の効果を計測する公開デモが構築されている | デモシステムはストレージシステム“Sun StorEdge”とサーバー“Sun Fire V880”を使用 |
10年分、100億件の顧客データからの検索を約9秒で実施 |