(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは27日、都内で記者会見を開催し、iモード対応携帯電話“506iシリーズ”の3機種の開発を発表した。506iシリーズは、第2世代のデジタル移動通信方式であるPDC(ブランド名は“ムーバ”)に対応する携帯電話で、ラインナップは、三菱電機(株)製造の『D506i』、富士通(株)製造の『F506i』、日本電気(株)製造の『N506i』。各機種の仕様や写真はこちらの記事を参照してほしい。
左から、N506i、F506i、D506i | 同じく左から、N506i、F506i、D506i。N506iは、日本電気(株)製では初の、ヒンジ部が回転する“リバーススタイル”を採用する端末 |
506iシリーズ共通の機能は、すでに“505iSシリーズ”で実現していたものばかりだが、iモード事業本部 iモード企画部の増田智子氏は、「506iシリーズとしては、デザインやカラー展開を主軸において開発した」と話した。「最新機能を搭載しないことによって、ある程度開発の自由度が増してきているので、(50xiシリーズにおいて)商品の個性を今後どのように追求していくかを検討したい」のだという。
iモード事業本部 iモード企画部の増田智子氏 |
(社)電気通信事業者協会の発表によると、2003年3月末のドコモのムーバ(PDC)の契約数は4288万1600件で、減少傾向にはあるが、FOMA(W-CDMA)の契約数(304万5100件)の10倍以上もある。これを踏まえて、FOMAの90xiシリーズとの住み分けについて増田氏は、「(NTTドコモが)フラッグシップとして“900iシリーズ”を推進していくことに変わりはない。しかし、ユーザーの要望に真摯に耳を傾ければ、“企業側の都合で900iにしたいので、それしか売らない”ということにはならない」と話した。506iシリーズは、Javaアプリケーション非対応のカメラ搭載機種“25xiシリーズ”のユーザーが、900iシリーズに機種変更をするステップアップのための端末という位置付けとしても考えているという。また、複数のラインナップが存在することによるメーカーの開発リソースの負担については「(50xiシリーズは)新規の開発があるわけではないので、非常に大きな開発のリソースが裂かれていると認識していない。そこは現時点でうまく住み別けできているので、今後もこのように続けて、ゆくゆきは900iシリーズにシフトしていきたいと考えている」とした。
506iシリーズの発売時期は、「初夏には皆様のところにお届けできるようにしたい」(増田氏)という。価格はオープンプライスの予定。一方、iモード企画部長の夏野 剛氏のインタビューなどで明らかになっているFeliCa(フェリカ:非接触IC技術)対応の“506iCシリーズ”の発売については、506iシリーズの発売以降の見込みとした。
また、506iシリーズ以降の今後の50xiシリーズの展開については「お客様のご要望次第」(増田氏)とするに留まった。なお同社広報部によれば、25xiシリーズや、Javaアプリケーション/カメラとも搭載しない機種の“21xiシリーズ”においては、いずれも新機種の開発が現在進められているという。
D506iで撮影したモデル | F506iで撮影したモデル | N506iで撮影したモデル | ||
いずれもモデルが“自分撮り”を行なった、一切手を加えていない状態の写真データ |