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【絵でわかるキーワード】HD-BURN(えっちでぃーばーん)

【絵でわかるキーワード】HD-BURN(えっちでぃーばーん)

2003年08月03日 03時52分更新

文● 浅野 純也

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【絵でわかるキーワード】HD-BURN(えっちでぃーばーん)

三洋電機

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CD-R/RW、コンボドライブ、記録密度

回路設計やメディアに大きな変更不要

HD-BURNの仕組み
●【HD-BURNの仕組み】 CD-R/RWのメディアを使って、従来の約2倍の1.4GBの容量を達成する技術・規格名。

 PCの光記録デバイスとしてすっかり定着したCD-Rの記録容量を増やす規格「HD-BURN」が三洋電機から発表された(2002年12月に信号処理用LSIを発表)。HDはHigh Densityの意味。容量を2倍の1.4GBに高めることができる。実はこうした「CD増量規格」はこれが初めてではなく、2年前(2000年)にソニーとフィリップスが1.3GBの「Double Density CD」を、TDKと米カリメトリクス社が2GBの「マルチレベル記録技術」をそれぞれ発表している。だが、どちらも専用メディアと専用回路が必要だったこと、またDVD系の記録デバイス&メディアの価格が急速に下がって普及し始めたことで賛同ベンダーが現われず、市場に投入された製品はなかった。

 HD-BURNのコンセプトはこの2例とは違い、メディアはCD-R、増量技術にDVDのそれを使うハイブリッドタイプだからだ。

 記録容量を高める主な方法は、

  1. トラック密度を上げる
  2. マークサイズを小さくする
  3. 符号化方式・誤り訂正の効率を上げる

という3つがあるが、トラック密度を変えると対物レンズの変更が必要でコストがかさむため、HD-BURNでは残る2つの手法が使われている。マークサイズは従来のCD-Rの光学系に手を加えることなく変更可能な0.82μmから0.62μmへと短くした。これで約34%の増量。そして符号化方式と誤り訂正ではDVD用の技術を使うことで48%の効率アップ。トータルで約2倍の記録容量を実現している。

 個々の技術はオーソドックスだが、DVDの記録・再生系を使ってCD-Rを焼くというのがHD-BURNのポイントだ。メディア価格を比べると、CD-Rは1枚約30円、DVD-Rは1枚約170円前後。1円当たりの容量はHD-BURNが約46MB、DVD-Rが約28MBと、コストパフォーマンスではHD-BURNがDVD-Rを圧倒する(価格は原稿掲載時、2002年11~12月調べ)。またDVDの記録方式を使うので、HD-BURN方式で焼いたCD-Rメディアは通常のDVDドライブ・プレーヤのファームウェアの変更で対応可能だ。

 もちろんデメリットもある。HD-BURN記録にはDVDコンボドライブに専用回路の追加が避けられないし、書き込みソフトの対応も必要だ。DVD規格で約30分の映像が記録できるが、そこにニーズがあるかも不透明だ。

掲載当初、「追記ができない」と記載していましたが、正しくは“追記が可能”です。お詫びして訂正いたします。

 三洋電機はファミリーを増やすため、再生に必要な技術は積極的に公開する方針。HD-BURNの認証業務も担当し、普及を狙う。実は同社はCD/DVD系ピックアップやチップセットの大手。HD-BURNは自社製品を特徴付けるためのエッセンスで、これをメインストリームにするわけではない。今後はCD-RWでのサポートも視野にいれているという。普及のポイントはファミリー化だ。コスト競争が激しい今、追加回路を付加する余裕がドライブメーカーにあるかどうか。また、再生互換を実現するファームウェアの更新が進むかどうか(同じDVDファミリー内でさえ実現されていない)。何よりもその前にDVDメディアの値下がりに巻き込まれたら歴史は繰り返されるだろう。


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