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【絵で分かるキーワード】トウモロコシ・パソコン(とうもろこしぱそこん)

【絵で分かるキーワード】トウモロコシ・パソコン(とうもろこしぱそこん)

2003年07月05日 17時41分更新

文● 浅野 純也

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【絵で分かるキーワード】トウモロコシ・パソコン(とうもろこしぱそこん)

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トウモロコシ・パソコンの仕組み
●【トウモロコシ・パソコンの仕組み】 トウモロコシ・パソコン:トウモロコシなどから作られたポリ乳酸素材でできた、自然に優しいパソコン

 2002年の夏、ソニーと富士通のニュースリリースに「トウモロコシ」の文字が踊った。前者はウォークマン、後者はノートPC・FMV- BIBLOの製品発表文であり、決して両社がアグリ事業に乗り出したわけではない(当然だが)。それぞれの製品に「トウモロコシから作られる生分解プラスチック」を採用したという発表だった。

 ご存じの通り、現在大量に使われているプラスチックは石油を原料としている。その製造過程上、自然物に分解されることはなく、焼却すると高熱を発しダイオキシンを出すこともある実に「自然に優しくない」素材だ。これに対して生分解プラスチックは、トウモロコシやイモ、サトウキビなどから抽出したでんぷんを原料とする植物系や微生物生成物を原料とする微生物系などの種類があるプラスチックのこと。焼却しても高熱になることはなく紙とほぼ同じレベルで、ダイオキシンも発生しない。廃棄しても水と二酸化炭素に分解されるだけで、自然界へ完全に還元できる「優しい」素材だ。これまでゴミ袋や紙トレイ、衣料などに採用されてきたが、ウォークマンやノートPCなど石油プラスチックの主戦場にも採用され始めたというわけだ。

 生分解プラスチックは、環境に負担をかけないエコロジー的な取り組みをアピールする意味合いに加え、将来的に枯渇する石油資源の代替品としても有望なことは知られていたが、これまでは強度や耐熱、耐衝撃などの特性が石油プラスチックに劣っていたこともあって応用分野が限られていた。ここにきて添加剤などの混ぜ材料(当然これも自然に分解されるもの)の組み合わせ方によってこれらの特性が改善されたことや製造コストを下げられたことで、ソニーはウォークマン「WM-FX202」の外装やボタンなど9割のプラスチック部品を、富士通は「FMV- BIBLO NB」のIRレシーバー口のフタ部品に「トウモロコシ製プラスチック」を採用した。生分解プラスチックのAVやIT機器への採用は初めてのことだ。富士通はさらに改良を進め、'04年度にはノートPC筐体の多くに採用を拡げるとアナウンスしている。

 これらに使われたのはポリ乳酸と呼ばれる生分解プラスチック。トウモロコシやイモなどからでんぷんや糖質を抽出して、発酵や重合などの過程を経て生成される植物系ポリマーで、もちろん廃棄後は水と二酸化炭素に分解されるので自然に優しいし(自然状態でも分解されるが、微生物や酵素を入れた生ゴミ処理機のような施設ならより高速に分解できる)、リサイクル性も高い。身近なところではNTTドコモの料金通知書が入った封筒のあて名部分の透明フィルムにもポリ乳酸が使われている。また自動車の内装などに使われるプラスチック部品の代替としても有望視されており、トヨタ自動車は環境事業の一環であるバイオ事業としてポリ乳酸工場を自前で建設するだけでなく、インドネシアに原料となるサツマイモ農場を確保するなど積極的な取り組みを見せている。

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