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【絵でわかるキーワード】ハイテク塗料(はいてくとりょう)

【絵でわかるキーワード】ハイテク塗料(はいてくとりょう)

2003年07月13日 18時23分更新

文● 浅野 純也

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【絵でわかるキーワード】ハイテク塗料(はいてくとりょう)

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ハイテク塗料の仕組み
●【ハイテク塗料の仕組み】 ハイテク塗料:塗るだけで材料の物理的特性を高めたり、ID識別機能を付加する塗料

 “ハイテク塗料”と聞いてもピンとこないかもしれないが、自作用シャーシの特殊なモノでない限り、読者諸氏が手にしているPCにはもれなく何らかの塗装が施されている。デスクトップPCではそれほど重要視されていないが、ノートPCでは重要なファクターである「見た目」にも影響するため、製品価値向上の一翼を担っているし、マグネシウムやチタンなど新しい素材に対応する塗料や塗布技術も開発されている。また放熱特性やノイズ、重量なども考慮されており、ノートPCの塗装についての話は複雑だ。

 ここで紹介するのは最新の2つ。ひとつは「ID塗料」と呼ばれるもので、塗料自体にIDを持たせたもの。オーストラリアのベンチャー企業、データドットテクノロジー社が開発した。といっても仕組みはシンプルだ。塗料の中に直径1mm程度の微少な高分子カプセルが混入されており、そのカプセルには微少文字が書き込まれている。紫外線(ブラックライト)を当てるとそのカプセル内の文字が浮き上がる。あるいは塗布した部分から塗料を削り取って拡大すると文字を判読することができる。書き込める文字列は十数文字程度で、それをリピートさせてカプセルに封じている。このID塗料をクルマやPCなど貴重品に塗布し、封入したIDとどこに塗ったかをデータベース化してデータドット社に登録、さらにID塗料が使われていることを示すステッカーを貼って盗難抑止にしている。仮に盗まれたとしても盗品を調べれば持ち主が判別する上、ランダムな場所に塗ることで除去を困難にしている。実際にオーストラリアのBMW社やヤマハのモーターボート、企業のPCなどに利用されており、例えばクルマでは外装だけでなく車体のあちこちに吹き付けることでIDの「生存率」を高めている。ちなみに家庭用のキットも販売されている。

 もうひとつは「自己修復塗料」だ。これは日本の塗料メーカーが開発したもので、塗料に弾力性を持たせて、例えば指先やモノがこすれたりして表面についた傷を自らの弾性によって少しずつ修復し、傷をなくす機能がある(もちろん大きな傷の修復はムリだが、微細なものなら数秒で復元する)。傷がつかないための工夫としては、表面を思いっきり固くするか、滑りやすくツルツルにして衝撃を逃がすなどの方法があるが、この自己修復塗料では、塗料の分子構造に固い部分と柔らかい部分を持たせることで弾力性を高め、自己修復を実現している。液晶パネルやPDPの表面など、少しの傷も許されない、高い歩留まりが求められる製品やケータイ、PDAなどのモバイル機器への応用が考えられている。


 このほかにも塗るだけで放熱効果を高めたり、電磁ノイズを低減させたり、静電気に対する帯電性を抑えたり、絶縁性を高めたり、振動や騒音を抑えたり、赤外線を遮断するなどさまざまな塗料があるが、こうした塗料は機能性塗料と呼ばれており、今後さらに高多機能化が進むだろう。

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