価格の違いは機能の違い
実際にそれを使うかはまた別
もうひとつ、激安ルータと高機能ルータの決定的な違いは、セキュリティ機能とそのカスタマイズ項目の豊富さだ。格安ルータはブロードバンドルータの基本機能と最低限のセキュリティ機能をサポートしているが、高機能ルータは、サーバの運営やSOHO用途などより高度な利用を視野に入れた、きめ細かいセキュリティ設定が可能になっている製品が多い。
例えば、セキュリティ機能で定評のあるヤマハのルータは、パケットフィルタリングの設定はIN/OUTの双方向でIPアドレス、ポート、TCPフラグを監視でき、設定数もメモリの許す限り追加できるほか、暗号化通信、豊富なログ閲覧機能を備える。これが格安ルータになるとこうはいかない。パケットフィルタリングも設定数が少なく、IPアドレスを指定できないものがあったり、ログ表示もブラウザで確認するしかないなど貧弱になる。ただし、これらのセキュリティ機能は使いこなさねば何の意味もない。
●ポートフォワード設定の基本は同じ
![]() |
![]() | |
---|---|---|
格安ルータのポートフォワード設定画面。 | 高性能ルータのポートフォワード設定画面。この点では違いはほとんど見られない。 |
ひとつだけ格安ルータで気になる点を挙げるとするなら、高負荷を与え続けたときの動作の安定性である。ネットワーク機器で最も重要な要素は何と言っても、スループットや機能といった表面上のスペックよりも、その存在を忘れてしまうほど“何の障害も起こさず、安定して動作すること”なのだ。
ルータの中にはファームウェアの完成度や、放熱性で劣る筐体のつくりなどから、P2Pソフトなどで非常に高い負荷をかけた際、PCと同じようにハングアップする製品も存在する。こういった部分は実際に長時間使用したユーザー以外にはわからないので、購入前にネットなどで情報を収集する必要があるかもしれない。もっともこのあとで紹介する3製品については、Webやメールを中心とした一般のユーザーが利用するような形でしばらく使用してみたが、安定性の問題はまったく起きなかった。
