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4000円ルータは普通に使える!

4000円ルータは普通に使える!

2003年07月28日 15時49分更新

文● 宇野 貴教

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価格の違いは機能の違い
実際にそれを使うかはまた別

 もうひとつ、激安ルータと高機能ルータの決定的な違いは、セキュリティ機能とそのカスタマイズ項目の豊富さだ。格安ルータはブロードバンドルータの基本機能と最低限のセキュリティ機能をサポートしているが、高機能ルータは、サーバの運営やSOHO用途などより高度な利用を視野に入れた、きめ細かいセキュリティ設定が可能になっている製品が多い。

 例えば、セキュリティ機能で定評のあるヤマハのルータは、パケットフィルタリングの設定はIN/OUTの双方向でIPアドレス、ポート、TCPフラグを監視でき、設定数もメモリの許す限り追加できるほか、暗号化通信、豊富なログ閲覧機能を備える。これが格安ルータになるとこうはいかない。パケットフィルタリングも設定数が少なく、IPアドレスを指定できないものがあったり、ログ表示もブラウザで確認するしかないなど貧弱になる。ただし、これらのセキュリティ機能は使いこなさねば何の意味もない。

●ポートフォワード設定の基本は同じ

格安ルータのポートフォワード設定画面 高性能ルータのポートフォワード設定画面
格安ルータのポートフォワード設定画面。高性能ルータのポートフォワード設定画面。この点では違いはほとんど見られない。
LAN内のサーバを公開する際に必要なポートフォワード設定。WAN側のポートへの通信をLAN内の指定のホストに転送する、といった基本機能は価格に関係なく、どのルータも備えている。しかし、異なるポートへの転送や、TCPとUDPを別に設定できるかなど、細部は異なる。これは高性能ルータでも製品によって差がある。

 ひとつだけ格安ルータで気になる点を挙げるとするなら、高負荷を与え続けたときの動作の安定性である。ネットワーク機器で最も重要な要素は何と言っても、スループットや機能といった表面上のスペックよりも、その存在を忘れてしまうほど“何の障害も起こさず、安定して動作すること”なのだ。

 ルータの中にはファームウェアの完成度や、放熱性で劣る筐体のつくりなどから、P2Pソフトなどで非常に高い負荷をかけた際、PCと同じようにハングアップする製品も存在する。こういった部分は実際に長時間使用したユーザー以外にはわからないので、購入前にネットなどで情報を収集する必要があるかもしれない。もっともこのあとで紹介する3製品については、Webやメールを中心とした一般のユーザーが利用するような形でしばらく使用してみたが、安定性の問題はまったく起きなかった。

●セキュリティ関連機能には差があり

格安ルータのセキュリティ設定画面 高性能ルータのセキュリティ設定画面
格安ルータのセキュリティ設定画面。高性能ルータのセキュリティ設定画面。その差は大きいが、使いこなせないようなら、意味がないかも……。
セキュリティに関する部分は、格安ルータと高機能ルータには大きな差がある。例えば、SPI方式のファイアウォール機能などがそれにあたる。また、不正アクセスの監視用にsyslogに代表されるログの保存機能も差が大きな部分。ただ、こういった機能はログを読めるユーザーでないと、あっても宝の持ちぐされとなってしまう。

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