常時接続ユーザーには必須とも言えるブロードバンドルータ。でも「お金がない」、とルータ導入に二の足を踏んできた人は多いはず。そんな人の味方となるのが4000円台から販売されている格安ルータ。その性能は実際のところ、どんなものなのだろうか?
どうしてこんなに
価格差があるのよ?
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2002年はADSLサービスの低価格化により、常時接続環境の普及が進んだ。しかし、アナログモデム時代と異なり、セキュリティの問題などからブロードバンドルータが必須である(詳しくはこちらの記事などを参照)。
で、実際にルータを購入するとなると、下は4000円から上は3万円を超えるものまで多種多様である。ルータの最低限の機能は「1本のブロードバンド回線を複数のPCで同時に利用できること」なので、すべての製品がこの機能を持っているのは当たり前。ならは、いちばん安いルータを買いたいところだが、あまりに価格差が激しいので「安物買いの銭失い」になってしまわないかと、心配な人も多いだろう。
本当に
そのスループットは必要?
まず、格安ルータとそれ以外のルータの機能で真っ先に目につくのはスループットである。ルータはLAN内のPCからのパケットをインターネット(WAN)側に送信したり、WANからのパケットを受信し、LAN内のPCに転送したりするわけだが、パケットがルータの中を通る際、NAPT(NAT/IPマスカレード)機能によってアドレス変換を行ったり、フレッツADSLなどで用いられているPPPoEではパケットをカプセル化して送受信している。こういった変換作業はすべてルータ内のCPUが内蔵されたアプリケーションで処理している。つまり、速いCPUを搭載していれば、変換作業が速くなる=スループットが上がる。しかし、高速なCPUはそのぶん高価なので、本体価格も高くなるというわけだ。
もっとも、ルータの速度が速くても回線速度もそれに合わせて速くなければ意味がない。ADSLの実効通信速度は、12Mbpsタイプでも8Mbpsも出れば万々歳というのが現実だ。そして、現在の格安ルータはこのレベルをクリアしている。直近にFTTH回線の導入が決まっているのならともかく、漠然と導入を考えている程度なら、ルータに70~80Mbpsクラスのスループットを求める必要性はないだろう。大体、こういう電子機器は時間が経てば経つほど、より安くていい製品が登場するものなのだから。
