「各デバイスの機能美を再構築することが、
ひとつの目的でした」
LaVie CのCORE DESIGN
写真3 LaVie Cのデザインを担当した、(株)NECデザインの前村 浩三氏。A4ノートで最初に担当した仕事は、青い孔雀のようなスピーカを広げたデザインが印象的だった「LaVie S」だった。 |
キーとなったコンセプトは「CORE DESIGN」です。社内/社外への意味が両面あって、「看板モデルであるLaVie CはNECの核。社員の気持ちを結集したい」「ユーザーのコアとなるマシンになって欲しい」という2つの気持ちを表現しています。「LaVie C」の「C」はもともと「Creative」の意味ですが、「Core」の「C」でもある。そして、「Creative Life=Communication Life」を切り拓くマシンでもあるのです。今回、ラフデザインはほとんど書かず、モックアップを作成することから始めましたが、逆にこれでデザインのテーマとなる「素材感」をスタッフに示せたと思います。
写真4 「LaVie C」 |
素材はひとつの表現方法ですから、情報収集のネットワークを作り、新しいものを積極的に取り入れようとしています。LaVieのデザインを担当するようになったとき、前任者から「A4ノートはデザインすることがない」と言われましたが、「そんなことない」というのが実際に担当してみての感想です。
写真5、6 素材へのこだわりがLaVie Cの特徴である。本体のコアとなるCPU/ドライブの収納部と天面には重厚感があり面が引き立つ鏡面仕上げ、パームレストには触感を重視した革シボ加工を採用している。 |
今までのLaVieシリーズは統一したイメージ戦略を持ってきましたが、これからは製品を使うユーザーのライフスタイルを考えて、個々のデザインを立てることも必要になるでしょう。
写真7 「CORE DESIGN」の元になったラフスケッチ。イメージは、3D CADのように頭の中でかなりの細部まで立体化できるため、それを直接、デザイン図面に落としていったという。 |
「品質基準の厳密さに関しては自信があります」
LaVie C/J 開発者インタビュー
写真8 LaVie Cの開発を担当したNECカスタムテクニカ(株)の高橋 幹夫氏(左)と同じくLaVie Jの開発を担当した平 強氏(右)。 |
熱設計に関してはファンを2つ装備し、後ろに逃がす方式を採用しています。35W設計でファンは35mm角を採用しています(現在最速のCPUはノート用ではMobile Pentium 4-1.8GHzの約30W)。
筐体の内部構造に関しては、ドライブなど最も厚くなるところから決めて隙間を埋めていきます。オールインワンノートの場合、FDDとHDDとバッテリの配置で基本的なサイズが決まるので、何パターンかの案を作って最適なものを選びます。これは薄いが排熱が悪い。これは厚いけど余裕を持てるなど。ある意味パズルのようですね。
LaVie Jに関しては、メタライズコンポジットという無電解ニッケルメッキを通常より厚くした塗装を採用しています。これは自動車のエンブレムなどで使われている工法です。