17cm×17cmサイズのFlexATXマザーボード用、電源&ドライブ用、そしてPCIカード用。279(W)×210(D)×53(H)mmという小型サイズのアルミケース3台をコンポーネント構成して1台のPCとして機能するようにしたユニークな製品「TC25AL」がテックから来週中にも発売予定だ。
3つのコンポーネントを縦に積み重ねたところ。この場合、最上部のコンポーネントから伸びるPCIケーブルは電源ユニットのすぐ脇を突き抜けて、最下部のマザーボードへと伸びている |
それぞれのコンポーネントは、それこそオーディオ用機器よろしく専用のケーブルで接続する……のではない。それぞれ天板や底板部の一部がくりぬけるようになっており、その穴を用いて従来どおりのPC用ケーブルを取り回すという、かなり強引な仕様だ。つまり、電源&ドライブ用のコンポーネントとマザーボード用のコンポーネントは、電源やATAPIなどケーブルの長さによって配置の制限を受けることになる。圧巻なのはPCIカード用コンポーネントで、長い延長ケーブルをマザーボード側のPCIスロットにただ繋ぐだけというのには潔さすら感じるほど。
はたしてこのケーブルにノイズ対策は施されているのか不安になってしまうが、それを言い出せば「ではコンポーネントの外に出てしまう電源ケーブルは大丈夫なのか」「ケーブルを通す穴の防塵対策は?」などなど、キリがなさそう。ケーブル以外の部分でも、スリムタイプのドライブを2つ搭載できることになっているベイのフロントパネルは特殊なサイズで、実際にドライブを取り付けたときにはドライブの周辺にぽっかりと空洞が空いてしまう。また、マザーボード用コンポーネントでは、背面がバックパネルではなくわざわざくり抜かれているため、くり抜かれているデザインに合うマザーボードを探す必要がある。
ただし、17cm×17cmサイズマザーボードをベースとする小型PCの可能性をひとつ提示したTC25ALの意義は決して小さくない。利用できる構成が限定されるため、当初はベアボーンPC的にしか利用できないだろうが、それでも第2弾、第3弾の登場が楽しみな“コンポケース”と言えるだろう。ちなみに3日の段階で販売を予告しているのは高速電脳。すでに入荷済みだという同店では予価を3万9800円としており、利用できるマザーボードが判明し次第販売を開始するとしている。
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