かねてより複数ショップで展示や動作デモの始まっていたVIA純正のファンレスシステム“Eden Platform”が発売になった。型番は「EPIA-E533」で、VIA純正のマザーボードに、同じく純正で、今回が初登場となるCPU「Eden ESP 5000」が組み込まれているのが最大の特徴だ。Eden ESP 5000はファンレス、そして低発熱&低消費電力がうたわれるCPU。基本性能はVIA C3がベースとなっており、組込型C3であるC3 E-SeriesそっくりのEBGAパッケージを採用している。動作クロックは533MHz(133MHz×4)(※1)で、L1キャッシュは128KB、L2キャッシュは64KB。VCoreは1.20Vで、これは他社製のノートPC向けCPUとほぼ同じ低水準である。
EPIA-E533のマザーボードは170×170mmという極小サイズ。これはVIAの提唱する新フォームファクタ「Mini-ITX」に準拠するもので、FlexATX(229×191mm)に対して面積で約2/3の小ささだ。この小型スペースに“VIA Apollo PLE133”チップセット、そしてEden ESP 5000が詰め込まれている。なお今回は用意されていないが、Mini-ITXには73(W)×174(D)×55(H)mmという細長い形状の電源も規格として提唱されており、Mini-ITX規格用のPCケースもVIAの製品ラインナップにはあるもよう。複数ショップによればこの電源を採用するMini-ITXケースもアナウンスされているようで、そう遠くない将来にも店頭に並びそうだ。
拡張スロットはPCI×1で、SDRAM専用のDIMMスロットは2本。Ultra ATA/100対応のIDEが2ch確保されている一方でFDDがサポートされない点も特徴と言えるだろう。外部インターフェイスはPS/2×2、D-Sub15ピン×1、Sビデオ出力×1、コンポジット兼同軸デジタル出力×1、シリアル×1、パラレル×1、RJ-45×1、USB×2、とサウンド入出力。
バックパネルとATAPIケーブルを同梱。もちろんFDケーブルは付属しない |
マルチメディア処理には決して強くないC3がベースということで、システム自体の性能は決して高くない。VIAでは、教育機関やオフィス向けのIA(Internet ApplianceあるいはInformation Appliance)やネットワークゲートウェイ向けとしてEdenを位置づけているが、実際にCPUパワーをそれほど要求されないような作業がメインとなるだろう。個人ユースで見た場合には、常時接続環境下における、低消費電力で、かつ極めて駆動音が静かなメールサーバやデータサーバが主用途になると思われる。いわば静音PCブームと常時接続環境発展の申し子とでも言ったところで、前評判どおりかなりの人気を集めそうだ。価格は高速電脳で1万5800円、ソフマップ1号店 Chicagoで1万5999円。このほか、複数ショップが今週中の入荷を予告している。
なお、同じくMini-ITXのマザーボードを用い、C3 E-Series-800MHzを搭載する製品「EPIA-C800」も登場している。こちらも以前、一部ショップで展示されていたもので、ファンレスのEden Platformに対し、CPUクーラーを搭載するのが決定的な違いだ。C3-533MHz相当ではパフォーマンスが心許ないと言うのであれば、こちらもアリだろう。価格は高速電脳で1万7800円、ソフマップ1号店 Chicagoで1万8499円。EPIA-E533と同じように、今週中にもこのほか複数ショップで販売が始まる見込みだ。
パッケージ。デザインからしてEdenとは大きく異なる | C3 E-Series-800MHz搭載をうたうシール | Edenとのパッケージ比較。サイズは同じ。マザーボード自体も基本的に同じものだ。ファンレスモデルが「Eden」というわけ |