北川工業(株)、セイコーインスツルメンツ(株)、昭和電工(株)、信州大学工学部の遠藤守信教授らによる産学連携ユニットは6日、現行の生産技術レベルでは世界最小レベルとなるナノコンポジットナイロン樹脂製歯車を作成し、実際に動かすことに成功したと発表した。
開発した歯車直径が0.2mmのナノ複合材歯車 |
開発したナノ複合材歯車は、歯車直径が0.2mmで軸径は0.09mm。歯数は6枚。同じナノコンポジットナイロン樹脂で成形した中間車を介して、腕時計用の秒針歯車を駆動するユニット構成となっている。使用しているナノコンポジットナイロン樹脂は、ナノファイバーを練り混んだことにより、微小部品の射出成型や細かい形状の成形が容易に行なえる特徴を持つという。さらに製造された歯車は機械的にも強化されており、耐磨耗性、摺動性、帯電防止、熱的機能に優れているとしている。
カーボンナノファイバーには、信州大学 遠藤守信教授と昭和電工が共同開発し、市販されている『VGCF』(直径100~200nm)を利用した。昭和電工のナノカーボン制御/生産技術、北川工業のコンパウンド技術、セイコーインスツルメンツのマイクロパーツ設計/製造技術などを基に、ナノファイバー/プラスチック複合材で歯車を作成し、技術を確立したという。今後、この技術をベースに、北川工業、セイコーインスツルメンツ、昭和電工は連携を一層深め、超精密部品から大型機械への応用に至る広範な分野で、各社の事業展開を図っていくとしている。各社が事業展開を図る分野は、パソコンやOA機器を含む精密機器、医療機器、自動車部品など。