ナスダック・ジャパン(株)は13日、ナスダック・ストック・マーケット会長兼CEOのHardwick Simmons(ハードウィック・シモンズ)氏、およびナスダック・インターナショナル会長兼CEOのJohn Hilley(ジョン・ヒリー)氏の来日に伴う記者懇親会を都内ホテルで開催した。
ナスダック・ジャパン市場に上場している企業は本日現在で77社。11月末時点でのナスダック・ジャパン市場における時価総額は1兆2940億5000万円、月間総売買代金は743億1000万円、月間総売買高は990万6674株。
記者懇親会場で、Simmons氏はナスダックの進捗状況について、「ナスダックは最も流動性の高い市場。時価総額は東京証券取引所の4倍になる。2002年第3四半期末か第4四半期にはNASDから独立し、取引所となる。また、ハイブリッド型システム(※1)をしっかりと立ち上げる。このシステムにより株式の流動性がさらに大きくなる。市場にとって有益となるだろう。2002年第2四半期にはテスト状態となり、第3四半期に本格導入となる」
※1 ハイブリッド型システム:オーダードリブン方式(売り注文と買い注文の価格が一致すると売買が成立する取引方式)とマーケットメイク方式(複数のマーケットメイカー(証券会社)が提示するさまざまな価格や株数をもとに投資家がニーズに合った取引相手を選択し執行できる取引法式。投資家がマーケットメイカーと交渉して価格や株数を変更することも可能)を組み合わせた取引システム。マーケットメイク方式を取り入れつつ、流動性が一定以上の銘柄についてはオーダードリブン方式の機能も併せて提供するというもの「米国と欧州、アジアを電子的に結び付けるのがわれわれの夢。地元の取引所と協力してグローバルネットワークを構築し、各国の株式をいつでもどこからでも取引できるようにしたい。ハイブリッド型システムを導入すれば、米国、欧州、日本が同じプラットフォームで取引できるようになる。2003年にはグローバルネットワークが完成するだろう。各国には優秀な企業がある。例えば米国の家庭に日本車があるのは当たり前だが、日本の会社の株を買うのは難しい。われわれはそれを容易にしたい。世界がひとつになってきているのに、金融市場がなぜ各国ごとに分かれていなければならないのか。金融市場も一体化を図るべきだ」
「日本における個人の株式所有率は15%(米国は51%)であり、日本は今後成長の源泉となるだろう、日本は将来に向けて重要な存在。ナスダックは透明性が高く、コストも相対的に低いので、日本の投資家にとって魅力的なものになるはず。米国で提供してきたことを日本でも提供すれば、投資家のプールを拡大できるだろう」と語った。
Hardwick Simmons氏。米国経済の展望について「私は他人よりポジティブに考えている」 |
また、今後の米国経済の展望については「私は皆さんが思っているより明るい見通しを持っており、米国経済は早く回復すると思う。2002年第2四半期には良い状況になるのではないか。マーケットは経済の先をいくものであり、第2四半期までにはその傾向が現われるだろう。9月11日の出来事は、何ヵ月も停滞していた状況を変えることとなった。もちろんその直後はマイナス面の影響があったが、来年は好転するだろうし、マーケットがそれを引っ張っていくだろう。米国が回復すれば、欧州や日本も同じようになるのではないか」とコメントしている。