(株)日立製作所の半導体グループは4日、同社の中央研究所およびデバイス開発センタと共同で、ギガバイト時代のフラッシュメモリー用の多値で高速書き込みが可能な次世代AND型フラッシュメモリーセル“AG-AND(Assist Gate-AND)”を開発したと発表した。書き込み速度を従来の約10倍に、セルのサイズを約半分にできるという。
“AG-ANDフラッシュメモリーセル” |
開発したセルは、セル構造に、セル間の干渉を防ぐ“アシストゲート(Assist Gate)”とフローティングゲートを交互に組み合わせた独自開発の“フィールドアイソレーション(Field Isolation)方式”を採用するとともに、書き込み方式に、チャネル電界で加速されたエネルギーの大きい“ホット”な電子を浮遊ゲートに注入する“ホットエレクトロン方式”を採用した。これにより多値のメモリーセル構成でも高速書込みが可能となり、0.13μmプロセスで毎秒10MBの書き込みが行なえる。また、セルのサイズも従来製品の約半分に小型化できるという。
同社では今後、開発した技術を使ってギガビットクラスのフラッシュメモリー、およびそれを搭載したフラッシュカードやシステムを製品化する予定としている。