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FinePix2800Z/FinePix2600Z

FinePix2800Z/FinePix2600Z

2001年10月16日 20時43分更新

文● 行正

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軽快な使い勝手と鮮やかな絵作り

撮影サンプル1:2800Z
撮影サンプル1。FinePix2800Zで撮影。F2.8、1/239秒(Exifデータ値)。元画像は1600×1200ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。

 2800Zと2600Zの2機種を使ってみて感じるのは、動作が軽快で処理に待たされることがほとんどないということだ。電源ONから撮影可能になるまで約3秒と、沈胴レンズを搭載するデジタルカメラとしてはかなり高速だ。スマートメディアへの撮影データ書き込みのため撮影間隔は3~4秒と少々長めではあるものの、メニュー表示や画像再生、モード切り替えなどの非常にキビキビとした動きは好感が持てる。



撮影サンプル1アップ:2800Z
撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。細かな線も残っており、シャープな印象を受ける。
撮影サンプル2:2800Z
撮影サンプル2。FinePix2800Zで撮影。F2.8、1/256秒(Exifデータ値)。元画像は1600×1200ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。

 両機種に共通する不満としては、液晶モニタが挙げられる。バックライトは明るく視認性も良好だが、2800Zは6.2万画素、2600Zが7万画素という液晶パネルで、最近多くのデジタルカメラが採用する11万画素クラスの液晶モニタと見比べると少々粗く見える。再生時に物足りないだけでなく、フォーカスがどこに合ったのか(あるいは正しく合っているのか)確認することが非常に難しい。



撮影サンプル2アップ:2800Z
撮影サンプル2の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。マクロ撮影ではなく、1.5m程度の距離からのズーム。近づくと逃げてしまうような被写体では望遠が威力を発揮する。
撮影サンプル3:2600Z
撮影サンプル3。FinePix2600Zで撮影。F8.6、1/79秒(Exifデータ値)。元画像は1200×1600ドットだが、480×640ドットにリサイズしている。

 また、ボディの安っぽさが少々気になる。2800Zは明るいシルバー、2600Zは若干アンバーのかかったシルバーとなっているが、素材はどちらも樹脂製だ。ところどころにメッキ処理が施されているが、高級感に欠けるのは否めない。

 画像に関しては、2800Z/2600ZともにFinePixシリーズならでのは記憶色を強調した鮮やかで明るい発色で、ノイズも少なくシャープな絵作りとなっている。



撮影サンプル3アップ:2600Z
撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。細部のエッジもシャープに出ており、不自然なノイズもない。
撮影サンプル4:2600Z
撮影サンプル4。FinePix2600Zで撮影。F3.5、1/478秒(Exifデータ値)。元画像は1200×1600ドットだが、480×640ドットにリサイズしている。

 FinePixシリーズと言えば縦型ボディの高級コンパクト機「FinePix6800Z」や光学6倍ズーム搭載の「FinePix6900Z」など、フラッグシップモデルにおけるブランドイメージが強いものの、FinePix2500Zや「FinePix2300」などの入門機も堅実にラインナップを揃えている。

 2800Zは、光学6倍ズームの入門機という変則的な製品であり、価格も7万4800円と入門機としては少々高めだ。CAMEDIA C-700 UltraZoom(7万5000円)やQV-2900UX(オープンプライス)がマニュアル撮影機能(絞り優先/シャッター速度優先/フルマニュアルなど)を装備しているのに対し、2800Zはこれらのモードを持っていないため、中上級者に対してのアピールポイントは少ない。しかし、初心者でも望遠撮影がしたくなる場合はあるだろうし、煩雑な操作のマニュアル系撮影は不要と思う人もいるだろう。2800Zはそんな人向けの望遠撮影対応の入門機だ。



撮影サンプル4アップ:2600Z
撮影サンプル4の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。発色は鮮やかでノイズも少ないことから若干人工的な印象も受ける。
撮影サンプル5:2800Z
撮影サンプル5。FinePix2800Zで撮影。F2.8、1/169秒(Exifデータ値)。元画像は1200×1600ドットだが、480×640ドットにリサイズしている。

 対して2600Zは、200万画素クラスで光学3倍ズームレンズ装備という、FinePix2500Zを継承する「入門者向けのスタンダード機」だ。16MBスマートメディアに加えてニッケル水素充電池×2と充電器が付属するというオールインワンパックで標準価格4万9800円という手頃な価格であり、デジタルカメラの入門機としてコストパフォーマンスは高い(2500Zも同様にオールインワンパックを謳っていたが、付属するのはアルカリ乾電池だった)。

 両機種とも、機能や操作性がかなり共通しており、一定以上の機能(夜景やマニュアル撮影)をきっぱりと省略するという割り切ったところはむしろ好感が持てる。FinePix6800Zや4800Z、IXYシリーズなどの金属ボディ採用の銀カメに比べると少々「所有する喜び」に欠けるかも知れない。とはいえ、入門者向け望遠機である2800Zや、オールインワンパックの携帯機である2600Zともに、実用性とコストパフォーマンスは高く、初めてデジタルカメラを購入する人にお勧めできるだろう。



撮影サンプル5アップ:2800Z
撮影サンプル4の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。前景と背景の間に若干のノイズが見えるが、これはカメラ内でのシャープ/輪郭強調など画像処理のものと思われる。
FinePix2800Zの主な仕様
撮像素子 1/2.7インチ有効200万画素CCD
レンズ 光学6倍ズーム、f=6~36mm(35mmフィルムカメラ換算:38~228mm相当)、F2.8/4.8/F8.2
記録画素数 1600×1200/1280×960/640×480ドット
記録媒体 スマートメディア(16MB付属)
動画 320×240ドット、10フレーム/秒、連続最長約60秒
液晶モニタ 1.8インチアモルファスシリコン-TFT、約6.2万画素
インターフェイス USB、DC入力
電源 単3×4(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池)
本体サイズ 95(W)×71(D)×77(H)mm
重量 約270g(本体のみ)/約390g(装備重量)
FinePix2600Zの主な仕様
撮像素子 1/2.7インチ有効200万画素CCD
レンズ 光学3倍ズーム、f=6~18mm(35mmフィルムカメラ換算:38~114mm相当)、F3.5/8.7
記録媒体 スマートメディア(16MB付属)
記録画素数 1600×1200/1280×960/640×480ドット
動画 320×240ドット、10フレーム/秒、連続最長約20秒
液晶モニタ 1.8インチアモルファスシリコン-TFT、約7万画素
インターフェイス USB、DC入力
電源 単3×2(ニッケル水素充電池、アルカリ乾電池、リチウム乾電池)
本体サイズ 99.8(W)×53.9(D)×65(H)mm
重量 約200g(本体のみ)/約255g(装備重量)

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