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シスコ、IPv6対応IOSを正式出荷――“CiscoWave+Networkers”で

2001年04月11日 22時53分更新

文● 編集部 佐々木千之

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シスコシステムズ(株)の製品を利用する技術者向けのイベント“CiscoWave+Networkers”(主催:(株)日経BP)が11日、千葉・日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開幕した。会期は13日まで。IPv6(※1)正式対応版IOS(※2)を搭載したシスコのルーターなどが展示されている。

※1 IP(Internet Protocol) Version 6:現行のIP(Version 4)の次世代バージョン。IPv4ではIPアドレス空間が32bit分(約43億)しかなく、今後一層増加することが予想されるネットワーク機器へ割り当てられなくなると危惧されている。IPv6ではアドレス空間を128bit化(約10の38乗)に広げ、パケットの暗号化機能やモバイル機器で利用するための機能強化が図られている。

※2 IOS:シスコのルーターやスイッチ製品で使われている、シスコオリジナルのネットワーク制御用OS。

会場の様子
CiscoWave+Networkersの会場の様子

CiscoWave+Networkersは、シスコとサードパーティーによるネットワーク製品やそれを使ったサービスの展示会と、シスコ製品を利用するネットワーク技術者向けの技術カンファレンス、eビジネスを展開する企業のeビジネス担当責任者向けのカンファレンスからなるイベントで、'95年から毎年開催されており、今回で7回目。前回までは都内のホテルを会場に2日間行なわれていたが、今回から会場を幕張メッセに移して、会期も1日長い3日間とした。会期中に、前回の2万7000人を上回る4万人の来場者を見込むとしている。

IPv6対応IOSを世界に先駆けて出荷開始

シスコはこのイベントに合わせて会場で記者発表会を行ない、次世代インターネットプロトコルIPv6に正式対応したIOS最新版『IOS 12.2T』を世界に先駆けて日本国内向けに出荷開始したと発表した。同社サービスプロバイダーマーケティング本部の横溝英俊氏によると、シスコはインターネット技術の標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)のIPv6ワーキンググループの議長として、IPv6に関わっており、3年前からIPv6対応IOSの検証用バージョンをリリースしてきた。今回の正式リリースにより、シスコのルーター製品すべてでIPv6への対応が可能としている。さらにスイッチ製品においても年内にIPv6に対応させるという。またIPv6への対応は今回のリリースで終わったわけではなく、今後もルーティングやQoS、マルチキャストなどの機能を追加したものをリリース予定としている。

横溝英俊氏
サービスプロバイダーマーケティング本部の横溝英俊氏
IPv6正式対応IOSが動作するシスコのルーター製品
シスコブースに展示されていた、IPv6正式対応IOSが動作するシスコのルーター製品

また新しい技術者認定資格“インターネット・ソリューションズ・スペシャリスト”についても発表した。この資格はインターネットビジネスコンサルタント、ネットワークエンジニア、インターネットアプリケーション開発者向けのもの。インターネットビジネスアプリケーションのデザインや構築に必要とされる広範な知識を有する技術者に与えられる。そのほかeビジネスを展開する企業のビジネスリーダーを対象に、最新のインターネットビジネスモデルの普及を目的として、シスコやシスコの顧客企業の成功事例を発信していく“iQ(Internet Quotient)プログラム”を開始するという。ウェブサイトや雑誌などを通じて情報を提供していくとしている。

インターネット・ソリューションズ・スペシャリスト認定資格の概要
インターネット・ソリューションズ・スペシャリスト認定資格の概要
シスコブースに参考出品されていた、IPテレフォン
シスコブースに参考出品されていた、IPテレフォン(右)。従来機種(左)と比較して、日本語表示できるようになったほかサイズも小さくなり価格も安くなるとしている。発表時期や価格は未定
伊藤忠テクノサイエンスが展示していた、インターネットデータセンター向けシステム
伊藤忠テクノサイエンスが展示していた、インターネットデータセンター向けシステム。画像ではわかりにくいが、周囲は鍵のかかったケージに囲まれている
日本IBMが展示していた“iSCSI”ストレージ
日本IBMが展示していた“iSCSI”ストレージ。ネットワークに接続されたストレージを、SCSI機器としてアクセスできるという
なぜここに“toto”端末が?
なぜここに“toto”端末が? と思ったが、店舗においてあるtoto端末はシスコのルーターによって接続されているのだそう。システムの構築は日本IBMが請け負ったとしている
ラックマウントタイプのUPS『Symmetra RM』
(株)APCジャパンが本日付けで発表した、ラックマウントタイプのUPS『Symmetra RM』。冗長性を持たせてあり、複数の電源モジュールが全体として必要な電力を供給し、1つの電源モジュールがダウンしても影響がないようにしたという

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