東京システムハウス(株)は、技術者向けにCOBOL言語の開発・実行環境『Acucobol
4.3』の製品説明会を開催した。同製品は、7月7日から東京・東京ビッグサイトで開催される“第8回ソフトウェア開発環境展”にあわせて、同社が発表する製品。今回の説明会は、7月の発表に先駆けてのものとなる。製品の開発元は米ACUCORP社で、発売は10月15日を予定している。
同製品は、WinodwsやUNIXなどオープンシステムに対応するCOBOLの開発・実行環境。ソースコードをコンパイルして作成されるオブジェクトファイルは、プラットフォームに依存せず、実行時にランタイムライブラリーを利用する形式を取っている。
1ラインごとに実行して動作確認できるデバッグウィンドウ |
同製品は、GUIに対応するアプリケーションの開発・設計もサポートしている。付属の“スクリーンペインタ”は、ウィンドウの設計や、テキストボックスなどのオブジェクトを視覚的に配置し、ソースコードを書き出す機能を持つ。また、RDBMS(Relational
DataBase Management System)にも対応しており、開発者はSQLを学ばずにデータベースと連携したアプリケーションを開発できる。
スクリーンペインタ、GUI作成用のツールキット |
最大の特徴となるのが、ウェブアプリケーションを開発できる点。作成した実行ファイルをウェブサーバー上でCGIとして利用できるほか、オブジェクトファイルをクライアント側でダウンロードし、プラグインを利用してブラウザー上で実行することも可能。これにより、メインフレームで作成した資産を、ウェブアプリケーションとして再利用できる。
製品の販売にあたり、同社システムパッケージ事業部システム開発部テクニカルサポートグループの海老沢寿一マネージャーは次のように語っている。
製品について語る海老沢氏 |
「現在COBOLで組まれたシステムは数多くある。また、COBOLを使った開発経験を持つ開発者は少なくない。Acucobolを利用することで、既存のメインフレームアプリケーションのオープン化と、中堅COBOL要員の有効活用が図れる。既存のシステムから移行しやすく、開発コストを抑制できる」
同社では、製品の提供のほか、テクニカルサポートや、他社のCOBOL言語で書かれたプログラムをAcucobolに変換するサービス(同社ではマイグレーションと呼ぶ)を提供するという。価格は、環境により異なるが、3台のWindowsクライアントを利用して開発する場合は37万8000円。価格の詳細は同社ウェブサイトで確認できる。