伊藤忠テクノサイエンス(株)(以下CTC)は、米GigaNet社が開発したPCサーバー用高速クラスタリングツール『cLANシリーズ』の販売を開始すると発表した。GigaNetの製品が本国アメリカ以外で販売されるのは世界で今回が初めて。
『cLANシリーズ』は、高速クラスタリングシステム構築用のハードウェア。CPU間のインターコネクションにおける標準インターフェースであるVIAアーキテクチャーを採用している。PCIバス用のホストアダプター『cLAN1000シリーズ』と、8ポートクラスタースイッチ『cLAN5000シリーズ』の2種類がある。
cLAN1000シリーズ |
『cLAN1000シリーズ』は、Copper cable対応(最長30メートル)の『cLAN1000』、Multi-mode
fiber cable対応(最長200メートル)の『cLAN1020-SX』、Single-mode fiber cable対応(最長3キロメートル)対応の『cLAN1020-LX』の3製品がある。32/64bit
33MHzのPCIバスマスタ転送を採用。Full Duplexをサポートし、最大で毎秒1.25GBのデータ転送が可能。2台のサーバー構成の場合は、このカードをそれぞれのサーバーに搭載し接続することで、2CPUクラスタリングシステムの環境が構築できるという。
『cLAN5000シリーズ』 |
『cLAN1000シリーズ』は、3台以上で構成されたサーバー群向けの製品。ホストアダプターcLAN1000に対応した『cLAN5000』と、cLAN1000/1020-SX/1020-LXの3製品に対応した『cLAN5020』の2製品がある。ポートはそれぞれ8ポートを搭載。Full
Duplexをサポートしており、データ転送速度は毎秒1.25GB(最大毎秒20GB)。サーバー側のホストアダプターカードとスイッチを接続。1つのスイッチでサーバーを8台まで接続でき、最大256台の接続を確認しているという。なお、cLAN5020は接続の際、専用の別売りコネクターが必要。
対応ソフトウェアとして、ミラーリングソフトに米VINCA社の『Co-StandbyServer
』、バックアップソフトに米NSI Software社の『Double Take For NT』、複数ノードクラスターに米MPI
Software Technology社の『MPI-Pro』、データベースソフトに米オラクルの『Oracle
Parallel Server』、米アイ・ビー・エムの『IBM DB2 Extended Enterprise Edition』などがある。
対応OSは、Windows NT4.0 Server/Enterprise Edition、Windows NT4.0 Workstation Service
Pack 3以上。Linux版も開発中で、今夏には出荷できるという。UNIX版の開発も検討中。価格は、サーバー5台接続時で250万円から。
米GigaNet社CEOのコーネリアス A.フェリス氏、右はCTCの猿田官ニ氏 |
米GigaNet社最高経営責任者のコーネリアス A.フェリス(Corrnelius
A.Ferris)氏は、「cLANシリーズは米国で実績のある製品。特徴は“クライアント対サーバー”のみならず、“サーバー対サーバー”のシステム構築に利用できるという点。電子商取引、病院、銀行など信頼性が要求されるシステムでの利用が可能だ」と述べた。
また、CTCヒューマンテクノシステム営業部部長の猿田官ニ氏は、「cLANシリーズの発売は、CTCがGigaNetと販売代理店契約を結んだことにより実現したもの。3年後にcLANシリーズを1万ユニット以上、約10億円の売上げを販売目標とする。NT/LinuxサーバーメーカーへのOEMと、システムインテグレーターを中心に提供していきたい。現在取り扱っているGigaNetの製品はcLANシリーズのみだが、今後新しい製品が出荷された際は、CTCが継続的にGigaNet製品を日本で提供しいく」と語った。