さて、1999年12月7日~9日まで行なわれた「Bluetooth Developers Conference」では次期Bluetoothの仕様も少しずつ明らかになってきた。同カンファレンスでは新たに12のワーキンググループが創設され、高速化やプロファイルの仕様策定などが行なわれる。速度に関してはBluetooth「Radio2」というワーキンググループが担当しており、現在の2倍の2Mbpsを最低ライン、オプションで10Mbpsの仕様も用意されるとしている。特に10Mbpsになれば、速度的にもワイヤレスUSBとしての利用価値が飛躍的に高まることになる。一方で、AV機器、自動車、PANなどのプロファイルの策定も始まり、より広範囲なデバイスでの採用が急ピッチで進められる。当然、相互接続性や電気干渉のほかにも、帯域保証がないため動画伝送などを行なうとコマ落ちなどが予想される、ホームネットワーキングでデバイス間の管理を行なうアプリケーションがない、といった課題も残っている。まずは実績と製品化を進めることで、実用度も高まっていくことになるだろう。
将来的には、やはりアプリケーションが不可欠になる。つまり、iモードのような魅力的なコンテンツやサービスが提供できなければ、既存の携帯電話やパソコンの買い換え需要につながらないからだ。チップセットの低価格化が実現するのと同時に、こうしたアプリケーションの開発が本格化していくことになるだろう。