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すべてのデバイスはBluetoothに通じる

2000年04月03日 11時56分更新

文● 月刊ASCII network PRO

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 Bluetooth デバイスは、半導体メーカーから提供されるチップセットにデバイスメーカーが開発したミドルウェア、アプリケーションを組み合わせることで実現される。ロイヤリティ無料で製品化が行なえるのが大きなメリットだ。一方で、Bluetooth SIGは通信プロトコルやリンク管理はもちろん、ミドルウェアに関しても「プロファイル」というソフトウェアスタックにより、各デバイスの実装をこと細かく規定している。Bluetoothではこれらプロファイルをデバイスにあわせて実装しない限り、Bluetooth対応デバイスとして認定されない。

 これはBluetoothデバイスの相互接続性の確保に最大限の注意を払われているからだ。また、相互接続性に問題を抱えたIrDA(※8)と同じ轍を踏まないようにするためでもある。IrDAのインターフェイスは、ノートパソコンやPDAに標準的に搭載されているが、利用するユーザーが多いとはいえない状況だ。遮蔽物に弱い、速度的に不足というデメリットはあったが、普及しなかったもっとも大きな理由はやはり相互接続性である。OSとアプリケーションのバージョンの違いで利用できるはずのデバイスが利用できなかったというケースは多い。一般に標準仕様に準拠したデバイスであっても、各社の製品への実装が異なることで相互接続が実現されないからである。そこでBluetoothでは単に通信プロトコルだけでなく、物理的なベースバンドのレイヤ構造から上位レイヤとのユーザーインターフェイスまできちんデバイスごとに定めているわけだ。

 Bluetooth SIGには仕様にきちんと適合しているかどうかをチェックする機関があり、適合した製品には認可を与えることになる。つまりIrDAのように「準拠」という言葉はなく、適合するか、しないか、というシビアな拘束が行なわれるわけだ。Bluetoothデバイスの開発者は、あわせて1万ページ以上ある仕様書をもとに、デバイスにあわせた最低限必要なプロファイルを実装しテストを受けなければならない。この厳密な仕様があるからこそ、ワールドワイドでデバイス間の相互接続が実現されることになる。

※8 IrDA(Infrared-Data-Association)……1993年に結成された赤外線データ通信の標準化団体、あるいはその通信規約を指すことも多い。物理層、リンク管理やトランスポート制御を行なうデータリンク層のほか、RS-232Cエミュレーションを行なう「IrCOMM」、静止画転送の「IrTran-P」、電話帳やスケジュールなどのデータ交換を行なう「Ir-OBEX」などにアプリケーション層などの一連のプロトコルスタックにより構成されている。伝送速度は115.2kbps、4Mbps、16Mbps。ワイヤレスのデータ伝送方式の本命として、ノートPC、PDA、プリンタ、家電用リモコン、POS端末などに幅広く搭載されている。

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