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すべてのデバイスはBluetoothに通じる

2000年04月03日 11時56分更新

文● 月刊ASCII network PRO

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 13種類あるプロファイルは大きく分けて、すべての機器が実装しなければならない基本プロファイル「GAP(Generic Access Profile)」と「SDP(Service Discovery Application Profile)」と各デバイス用のプロファイルに分かれている。

 GAPは、Bluetoothデバイス同士が最低限通信を行なえるよう、前述したようなデバイスの認識、コネクション確立や認証・暗号化などの手順を定めたプロファイルである。デバイスの種類ごとプロファイルは異なるが、すべてこのGAPがベースになっていると考えてよい。

 一方SDPは、他のBluetoothデバイスがどのような機能(サービス)を提供しているか調べるためのプロファイルであり、接続時のスキャンとは別途行なう。動作は簡単で、デバイスが印刷する機能を持つのか、通話の機能を持つのか、周囲を見回して、各デバイスに登録しておくのである。SDPは、Bluetooth自体のディスカバリのほか、Sun Microsystemsの「Jini」やMotorolaの「Piano」、プリンタ・パソコンメーカー24社が主導する「Salutation」、Hewrett_Packerdの「JetSend」などのさまざまなサービスディスカバリの仕組みが利用できる。この中では、通信プロトコル仕様を問わないSalutationのマッピングがもっとも容易だが、将来的にはやはり組み込みJava端末とJiniの組み合わせが増えてくると思われる。これにより最終的には、未知のBluetoothデバイス間でも、ドライバなどを自動ダウンロードして利用することができるようになる。

Bluetoothのプロファイル説明図
図7 Bluetooth SIGで現在決められている13種類のプロファイル。すべてのデバイスに実装する必要のある汎用アクセスプロファイル(GAP)とサービスディスカバリアプリケーションプロファイル(SDP)の2種類のほか、シリアルポートプロファイル、音声通話用のプロファイル、赤外線通信用のプロファイルなどが用意されている

 このGAPとSDPを実装した上で、コードレス電話であれば電話用の「TCS(Telephony Control Specification)バイナリプロファイル」、FAXやヘッドセットのようなRS_232Cを経由したデータ伝送を行なうデバイスであれば、シリアルポートプロファイルのそれぞれ必要なプロファイルを実装する。ユニークなのは、IrDAで用いられるOBEX(OBject EXchange Protocol)をプロファイルとしてBluetoothで採用することで、ファイル転送やデータの同期などが可能になる点だ。これにより既存のIrDAアプリケーションを再利用して、Bluetoothデバイスに流用することができる。

 これらプロファイルは、いわば「黒電話のダイヤル」のようにBluetoothデバイスとして最低限の機能を提供するためのものである。各デバイス独自の機能をのせる場合は、これらのプロファイルを搭載した上に独自にソフトウェアを開発する必要がある。

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