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すべてのデバイスはBluetoothに通じる

2000年04月03日 11時56分更新

文● 月刊ASCII network PRO

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 Bluetoothは、単なるピアトゥピアのデータ送受信だけでなく、3台以上のBluetoothデバイスでネットワークを構築することができる。この柔軟で拡張性に富むネットワーク仕様が、ホームネットワークにも対応できるBluetoothの特徴になっている。

 Bluetoothデバイスのネットワークは通信範囲内の最初のデバイスが「マスタ」として機能し、その後からマスタへのリンクを確立したデバイスが「スレーブ」として参加するという形で構成される。マスタはデータ送受信の周波数のホッピングパターンを決定する権利を持ち、スレーブはマスタとリンクを確立することで他のスレーブとデータの送受信を行なう。こうしてBluetoothデバイスで構成されるネットワークは「ピコネット」と呼ばれ、最大7台までのBluetoothデバイスが参加できる。また、マスタは他のピコネットのスレーブになることが可能なため、ピコネット同士をデイジーチェーン(数珠繋ぎ)接続した「スタッカネット」を構築することも可能だ(図5)。Bluetooth SIGでは伝送範囲100mのクラス1デバイスより、このピコネットと100個まで構成可能なスタッカネットをうまく利用することで、広い伝送範囲をカバーするアプリケーションの実装を推奨している。

スタッカネットの説明図
図5 最大7台のBluetoothデバイスによってピコネットを構成。さらに別のピコネットに属するマスタとスレーブが通信することで、スタッカネットが構成される。各デバイスにはActive Member Addressとは別に8bitのMACアドレスがふられ管理対象となる

 データ送受信までの手順は図6のとおりである。まったくリンクの確立されていないStandbyモードの状態は、チャネルを変更しながらつねに同じホッピングパターンで他のデバイスからのメッセージを待っているだけである(リッスン状態)。しかし、伝送範囲内のいずれかがデータ送受信などのサービス獲得に動き出すと、そのデバイスがマスタになり、周辺のデバイスをスキャンして認識するという作業に入る(Inquiryモード)。スキャンしてひっかかったリッスン状態のデバイスは、「Active Member Address」という3bitのアドレスをふられ、スレーブとして機能することになる。マスタからメッセージを受けたスレーブは、マスタと同じホッピングパターンで動作を開始し、その後認証と鍵の受け渡しというプロセスを経て、データの送受信に移る(Activeモード)。このプロセスで、送受信データの盗聴や漏洩を防ぐための認証と暗号化の機能が標準で用意されているのもBluetoothの重要なポイントといえる。

データ送受信までの手順説明図
図6 Bluetoothデバイスの状態を表わす7つのモード。実際にデータの送受信を行なうためにはサービスの獲得に乗り出したデバイスがマスタとして機能し、スレーブとのコネクションを確立する。一方、通信していないときは、Hold、Park、Sniffなどの低電力モードが選択できる

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