カナダのCorelは、「Corel LINUX OS」に、米GraphOnの「Bridges」を統合することを発表した。これにより、「Corel LINUX OSはどのようなネットワーク上でもシームレスにWindowsアプリケーションを使用できる、初めてのLinuxディストリビューションとなる」という。
GraphOnのBridgesは、ローカルマシン上からリモートマシン上のアプリケーションを実行するためのソフトウェア。対応するOSとして、Windows 95/98/NT、Linux、Solarisなどが挙げられている。また、同種のソフトウェアとして、英AT&T Laboratories CambridgeのVirtual Network Computing(VNC)がある。
BridgesのLinux上のクライアントとWindows NT上のサーバを使用するためのライセンスを含んだCorel LINUX OS出荷は、2000年の中頃に予定されている。
Bridgesについて
1月11日追記
BridgesとVNCはリモート実行のためのソフトウェアであること以外は、動作原理などを比べても、同種のソフトウェアとするのは語弊があるので注意されたい。
VNCは、サーバ/クライアントが1対1の対応だが、Bridegsは1対多で使用できるようになっている。Bridgesの仕組みはX Window Systemと似ていて、ローカルのXサーバがリモートのXアプリケーションを表示するように、同製品を使用することによって、リモート上で動作するWindows NT上や、Linux(UNIX)上のアプリケーションをローカルのLinuxやWindowsのクライアントアプリケーションのウィンドウ上に表示することができる。つまり、Windows NT上にインストールされたアプリケーションを複数のLinuxシステムから実行することなどができるようになる。
またBridgesは、サーバ/クライアントのリソース管理のためにソフトウェアが最適化されており、Bridegsの動作方法の特徴となっている。これは、「Bridegs Server Components」と呼ばれるもので、「Application Publishing Service」、「Program Window」、「Bridegs Display Server」、「Bridegs Components Server」、「Cluster Manager」から成り、リソースごとにサーバを用意することで、多数のクライアントからの負荷を分散させている。以上のことからも、BridegsとVNCは基本的な考え方が違うのがお分かりいただけると思う。
また、クライアント/サーバで、対応しているOSは若干異なっている。
サーバ
- Windows NT
- Windows 2000
- Solaris
- Red Hat Linux
- Corel LINUX OS
クライアント
- Macintosh(※1)
- Red Hat Linux
- Corel LINUX OS
- Solaris
- Windows 95/98
- Windows NT