Flashを使った今どきのユーザーインターフェイス(UI)デザインの要素を取り込みたい。一味違った楽しいコンテンツの魅せ方でインパクトのあるサイトにしたい。昨年12月18日にリニューアルされた「慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)」の新サイトは、そんな要素が散りばめられた「FlashによるUIのショウケース」とも呼べそうなWebサイトだ。
つながりが見える「教員マップ」
新サイトの目玉は、トップページに設置された「教員マップ」。教員の顔写真や学部をイメージした写真のサムネイルが並び、それぞれ関連性の高い項目が線でつながっている。見た目はソーシャルグラフサービスで用いられるような相関図に近い。
サムネイル画像にマウスオーバーすると、関連する他の教員や学部名の項目がフォーカスされ、クリックするとその項目が中央に移動する。さらにもう一度同じサムネイルをクリックすれば、教員の詳細なプロフィールページに移動する仕掛けだ。マップは、ドラッグ&ドロップで自由に動かすことができ、それに追随して他のサムネイルも移動する。この動きが気持よく、なんとなく顔を知っている教員から、思わず他の教員へと次々とクリックして見ていってしまう。
逆に、顔ではなく名前を知っている教員を調べたいときのために、検索機能もある。右下に設置された検索窓にキーワードを入れると、該当する教員のサムネイルが移動し、フォーカスされる。
大学公式サイトが別にあり、在学生や教員向けのページも別に用意されていることを考えると、このサイトはおもにSFCへの入学を希望する受験生向けだろう。教員マップは、教員を「探す」「調べる」といった明確な目的に対しては使い勝手がいいとは言えないが、「プロモーション」のためのキー・ビジュアルとして見ると、なかなかおもしろい。受験生に対してSFCの“楽しさ”や“新しさ”といったイメージを演出するのに一役買っているのではないだろうか。
