前編に引き続き、2008年のトレンドを林信行氏に語ってもらう。
目次
上位はMac系が盛りだくさん?
パソコン通信やインターネットの動向、検索サービスの動向、ブログやSNSといったソーシャルメディアの動向などもいち早くとりあげてきたつもりだが、やはり私はずっとMac媒体を中心にアップルやMacに関係した記事を書いてきただけに、Mac系ジャーナリストとよく紹介される。
嬉しいことに、2008年のトップ10トレンドの上位にはアップル関係の話題が目白押しだ。ちなみに最近では「Macworld Expoが2009年1月の開催で最後になりそうだ」ということについて、よくコメントを求められる。私はそれはそれでいいことだと思う。これまでアップルは、この1月開催というスケジュールのために、一番、おいしい商品をクリスマス商戦前に発表できずにいた。
また、日本でMacworld Expoが開かれなくなって久しいが、そのおかげで最近では地方でMacのユーザーグループ主催のイベントがよく実施されているされており、私もゲストとして呼ばれている。シリコンバレーと日本の往復を繰り返すのもいいが、こうして美しい日本の、これまで行ったことがない地域を訪問でき、おいしい郷土の食事を味わえるのは個人的にもうれしい限りだ。
5位:Ustream
今年、ビデオストリーミングサービス「Ustream」を使ったビデオ中継が話題となった。日本では成功しているサービスにはたいていカタカナ四文字の愛称がつくが、このUstreamも「ユースト」の愛称で、徐々に広がりつつある。
最近、ノート型Macには必ず「iSight」と言われるビデオカメラが内蔵されている。またWindows機であっても、数千円もあればSKype用のUSBウェブカメラを安価に購入できる。
あとは、ある程度、高速な無線LAN環境があれば、撮影OKなオープンなイベントであっても、ただ友達と集まって遊んでいるところ、食事をしているところでも、何でも「ユースト」できてしまう。
筆者の友人、drikinが、この「ユースト」に非常にハマっていて、最近もサンフランシスコの新居用に購入した大型テレビの開封式をユーストで中継していた。そのことを知った彼のTwitter/mixi仲間が「テレビにMacをつなげろ」「こんな画面を表示して欲しい」とリクエストを出して楽しんでいた。
彼は渡米前、どこへいってもUstreamで中継をしていたこともあり、ある日、元マイクロソフト会長、古川享氏のブログで呼び出しがかかった。MacBookを持って参上し、古川さんが関わっている未踏プロジェクトのイベントをUstreamで中継して欲しいとの願いを実現した。
まだ、この波に乗れていない人もいるかもしれないが、mixiやTwitterの友達に、UstreamにハマっているIT系の友人がいると、たまに「今から~~をUstream」といった情報が流れてくる。運良く、それを見つけた人は、そこに書かれているURLにアクセスする。すると主催者のパソコンから送られてくるライブのストリーミング映像を見ることができる。
ライブ映像のすぐ脇には、文字で会話できるチャットウィンドウが表示されるので、これを使って、映像を見ている人同士、あるいはカメラの向こう側にいる主催者と対話もできる。「録画オプション」を選んでおけば、映像を放映後に、再生することも可能だ。
最近ではIT系のパーティーなどでも、欠席した人があとから見れるように、あるいは残業でまだ参加できていない友人が早く来たくなるように、ユーストの中継をしていることも多い。
ちなみに同様のことは「Stickcam」というサービスを使っても実現できる。筆者は2007年の夏に、このStickcamを使ってFoo Campというイベントのライブ中継を行っており、その様子は録画番組として今でも再生できる。「Justin.tv」というサイトでは大勢の人が日々の生活の様子をライブ放送で配信している。
日本では、動画共有サービスの「ニコニコ動画」もユーザー自身が生中継を実施できる「ユーザー生放送」というサービスを開始した(関連記事)。大晦日には夕方に民主党主催の生放送を、そして23:30からはニコニコ動画の主催者による「ゆく年くる年」も放送するようだ。
