3位:Ubiquity
「Ubiquity」には正直、感動した。Mozilla Labsが開発しているGUIを補完する新しいユーザーインターフェースだ(関連記事)。
開発の中心となっているのはエイザ・ラスキン氏。こう紹介していいものか気にしていたが、本人も気にしていなかったようなので書くと、Macの生みの親、ジェフ・ラスキン氏の息子である(本筋から外れるので詳細はこちらの記事に譲る)。
Ubiquityは、Macとは関係なくWindowsでも使える次世代のインターフェースだ。どんなことを実現してくれるかは、YouTubeで見てもらうのが一番早い。YouTubeで「Ubiquity」で検索してもらうとたくさん動画が出てくるが、要するにパソコンをキーボードから操作してしまおう、という試みだ。
2008年は、人々をMS-DOS的なコマンドを打ち込む世界から解放してくれたマウスの登場から40周年を祝った年だったが、実はGUIは分かりやすいだけで、実際の操作はかなり面倒であることが多い。
Ubiquityは、キーボードから英語の命令を打ち込む文字操作で、例えばGoogleマップの地図を簡単にメール中に挿入したり、住所の一覧表を元にGoogleマップ上に印をつけたり、ウェブページを開かずにGoogleカレンダーに予定を登録したりとできる。
開発者のエイザ・ラスキン氏は、「これまでのウェブはサイト中心だったが、これからは人がやりたいことを(タスク)中心にしていかなければならない」と言う。
考えてみれば、便利と言われるさまざまなウェブアプリケーションにしても、それらを便利に組み合わせたと言われるマッシュアップのサービスにしても、結局は誰かが用意したお仕着せの便利さに過ぎなかった。
自分が本当にやりたいことを、やりたいようにやるためには、自分自身で自分の都合にあわせてサービスをマッシュアップしていくのがベストだ。その際のユーザーインターフェースとしては「ポインティング」が中心のマウス操作よりも、文字を使った指示の方がやりやすい。
「文字入力の操作にアレルギーを感じる人もいるのでは?」というとラスキン氏は「URL入力のアドレスバーだって、検索だって似たようなもの。人々は文字操作に十分慣れている」と返す。
Firefoxを使っている人は、こちらから最初のプロトタイプを入手できるので、ぜひ試してみて欲しい。またラスキン氏は、「日本語での操作も可能だとは思うが、そこはオープンソースプロジェクトなので、日本の貢献者の協力が必要な部分」と語っている。