米国時間17日から19日までサンフランシスコで開催されている米アドビ システムズの大規模イベント「Adobe MAX 2008」。イベントに合わせて、アドビから最新技術と製品が多数発表されている(プレスリリース)。主要な発表内容を読み込む限り、主役はFlashをベースとしたRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)関連技術だ。
17日(米国時間)の発表資料によると、正式版としてリリースされたのがRIAランタイム「Adobe AIR 1.5」だ。FlashやHTML、JavaScriptといった既存の技術を使ってマルチOS対応のデスクトップアプリを開発できるAdobe AIR。その最新版における目玉は、Flash Player 10相当の機能を搭載したことだ。
Flash Player 10は、擬似3D効果や、ユーザーが作成したカスタムエフェクトをアニメーションに対して適用できるのが特徴で(関連記事)、今回リリースされたAIR 1.5でも同様の表現が可能になる。加えて、JavaScriptの実行速度の向上、SQLiteの暗号化対応なども果たした。AIR 1.5のラインタイムはWindows版とMac版がすでに公開中で、Linux版は年内に公開予定だ。
新たにテクノロジープレビュー版が公開されたのが、「Adobe Flash Catalyst」というUI(ユーザーインターフェイス)開発ツール。昨年のAdobe MAXでコードネーム「Thermo」として概要が発表されていた(関連記事)もので、illustratorやPhotoshopといったアドビのグラフィックツールと連携してFlashやAIRアプリのUIを楽に開発できるようにする。アドビの「デザインと開発を同時に進められるようになる」との説明からすると、マイクロソフトがSilverlightの開発環境として用意する「Expression Stuidio」のような位置づけのようだ(関連記事)。
このほか、Flex Builderの次期バージョン(コードネーム「Gumbo」)のテクノロジープレビュー版、スマートフォン対応のFlash Playe 10のプレビュー版も発表された。
アドビ日本法人は12月に報道関係者向け説明会を開く予定で、同説明会と来年1月に東京・お台場で開催されるAdobe MAXの日本版「Adobe MAX Japan 09」(関連記事)において、今回発表された新製品/技術の詳細を説明する。ASCII.jpでも情報を入手次第、続報をお届けしたい。
