“バージョン3の法則”はどうやら本当だったようだ。7月16日、東京都内で開いたWebデザイナー/デベロッパー向けイベント「ReMIX Tokyo 09」で、マイクロソフトは米国で先週ローンチしたばかりの「Silverlight 3」(関連記事)を国内で初お披露目した。
大半の時間をデモに割いた午前中の基調講演では、RIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)の先駆者「Adobe Flash」を意識した新機能が次々と飛び出し、マイクロソフトのRIAにかける強い意気込みが伝わってきた。
猛スピードでFlashのキャッチアップ狙うSilverlight 3
「疑似3D描画機能」「ビットマップ&ピクセルAPI」「GPUアクセラレーションのサポート」――。これらはFlash Player 10の新機能(関連記事)ではない。いずれもSilverlight 3の新機能だ。ほかにも、動画再生時にユーザー側のCPU負荷や帯域に応じて画質をリアルタイムで調整する「スムーズストリーミング(Smooth Streaming)」、ClearTypeのサポートに代表される「テキストまわりの強化」、「H.264のサポート」など、“Flash対抗”とも受け取れる機能が目につく。
究極は、Adobe AIRをイメージさせる「アウト・オブ・ブラウザー(out of browser)」だ。アウト・オブ・ブラウザーは、Silverlightアプリを文字通り“ブラウザーの外”、つまりデスクトップ上で実行できる機能。アプリケーションはWebブラウザー上から簡単にインストールでき、自動更新にも対応している。ネットワークの接続検知機能を使い、オフライン状態でユーザーが入力しておいたデータを、オンラインになった途端にサーバーに送る、といったアプリも作れる。
実際に基調講演で事例として紹介されたYahoo! オークションのウィジェットは、言われなければFlash/AIRアプリにしか見えなかっただろう。奇しくもAdobe AIRのローンチの際に披露された事例は、米イーベイのオークションウィジェットだった(関連記事)。ヤフーとイーベイのウィジェットは見た目も機能もまったく別物ではあるが、それぐらい、SilverlightとFlash/AIRは急接近しているように見えるのだ。