2008年10月30日のソフトバンクモバイルの新製品発表会で、タッチパネル対応端末として、HTC Touch Diamond(X04HT)とTouch Pro(X05HT)の2機種が発表された。そして2008年11月5日のNTTドコモの発表会でも、「PROシリーズ」の端末「HT-01A」としてTouch Proが、「HT-02A」としてTouch Diamondが登場。9月に先行して発表したイー・モバイルに続いて、ソフトバンクでもドコモでも、Touch Diamondが登場することとなった。
Touch DiamondはWindows Mobile 6.1に対応するいわゆるスマートフォン端末。ウェブや自宅・会社のメールに自由にアクセスし、Windows Mobileのアプリを追加できる。またケータイらしい使い勝手を実現するTouchFLO 3Dの後押しもあり、薄型でコンパクトなスマートフォンとして、女性にも手に取りやすい端末としての魅力がある。
キャリアを選ばせるメーカー主導の世界戦略を日本でも
HTC Nipponの代表取締役社長 デビッド・コウ氏は日本市場の戦略について、「海外でやってきたことをそのまま日本でも実施する」との基本的な方針を示した。つまりHTCブランドの同じ端末を複数のキャリアからリリースしていく。これによってスケールメリットも働くし、HTCや端末が持つブランドの浸透にも役立つ。
Touch Diamondの成功は、Touch Diamondの魅力をユーザーに伝えて、ユーザーには端末ではなくキャリアを選んでもらう新しい買い方を提案することが源泉だ。
日本でもイー・モバイルに始まり、ソフトバンク、ドコモと、Touch Diamondは3つのキャリアから発表された。イー・モバイルは背面がマットでフラットな仕様だったが、ソフトバンクとドコモはダイアモンドカットのツヤがあるデザイン。外観の違いはこれとキャリアのロゴくらいしかない。この点は、日本のケータイ市場では画期的と言える。
他の端末メーカーでも、パナソニックの端末にはキャリアをまたがってワンプッシュオープンボタンが備わり、シートキーの数字が浮き上がっている意匠など共通点が見られる。また、シャープは「AQUOSケータイ」のブランドをソフトバンクからドコモ、auへと横展開している。
しかし、技術やブランドを各キャリアで展開する流れはあったが、形状まで全く同じ端末としてリリースすることはなかった。
そしてHTCは世界中でこの戦略を進めている。欧米に行ってもアジアに行っても、Touch DiamondはTouch Diamondなのだ。
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