塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤” 第18回
塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”
著作権法をポジティブに
2008年09月21日 15時00分更新
いい法律家ってどんな人? 法律家に期待するアドバイスとは?

「著作権」と聞くと「コピーしちゃいけない」「使っちゃいけない」というネガティブなイメージを抱く人が多い。インターネットでは、「やめておいたほうがいい」とか「それは著作権法違反だと思います」といった消極的な書き込みを頻繁に目にする。本当に違法なことなら「できない」と明確に答えるべきだが、必ずしも違法とはいえないことまで、後ろ向きな回答が目立つ。著作権法は本当にそんなにネガティブなものなのか。
原因の一端は法律の規定のされ方とその読み方にある。そこでまずは法律の読み方について、望ましい法律家像から考えてみよう。なおここで「法律家」といっているのは、弁護士、裁判官、検察官、弁理士、司法書士、法律学者のみならず、法律を扱う人々をすべて含んでいる。
いい法律家とはどんな人だろう。あなたなら、法律家にはどんなアドバイスをしてほしいと望むだろうか。
例えばあなたがクルマを運転していて交差点に差し掛かかり、右に曲がろうとしている状況を思い浮かべてみよう。時間制限や車種を限定するさまざまな標識が掲出されていて、結局いま、この時点でこのクルマが右折をしていいのかいけないのか、よくわからないとする。
そのとき、偶然にも助手席に乗っている友人は法律家だということを思い出した。そこで質問してみる。「この交差点、右折できるのかな?」
このとき、どんな答えが返ってきたら、うれしいか。
「どうやら無理っぽいね」
「なんかヤバそうだから、やめといたほうが無難だよ」などというあいまいな答えは期待していない。
(次ページに続く)

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