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この新ビジネスに学べ! ネットの開拓者たち 第3回

女性やリピーターを重視した、新しい形の価格比較サイト

ECナビ(http://ecnavi.jp/)

2008年08月29日 12時00分更新

文● 根岸智幸(ずばぴたテック) 写真●小林 伸

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ECナビのビジネスモデル

女性ユーザーにフォーカスし、
ポイント還元でリピーター化

ECナビの基本的なモデル

 価格比較サイト市場におけるECナビの戦略は、先行するカカクコムに対する差別化だ。「そもそも出発点が違う」と宇佐美氏は言う。PCの価格情報から出発したカカクコムが、男性やオタク系ユーザーの支持が強いのに対し、懸賞サイトを出発点とするECナビは女性に強い。登録会員の55%が男性だが、実際に購買しているユーザーでは74%が女性だ。

 「僕は自宅のテレビを買うとき、自分では決めていない。掃除機とか生活家電は女性が主導権を握っている。これはカカクコムに対する差別化になると思いました」。

 もうひとつのポイントは、独自開発のクローラーにより、多数の価格情報を自動的に収集して掲載すること。かつて、カカクコムがクローラーを用いないことを差別化要因としたのに対し、ECナビはその逆の方法を取った(現在はカカクコムも導入している)。

 また、検索エンジン経由の一見ユーザーよりも、既存ユーザーのリピーター化に力を注いでいる。ECナビ経由で購入をするとそのショップのポイントだけでなく、ECナビ独自のポイントも付く。カカクコムを含め、一般的な価格比較サイトはショップに顧客を誘導することによって、ショップからアフィリエイト収入を得る構造だが、ECナビはそのお金をユーザーに還元している。ユーザーのポイント使用率も高く、月に約7000~8000万円もユーザーに支払っているという。

 こんなことが可能なのは、ECナビのビジネスモデルが広告メディアビジネスとリサーチビジネスを柱としているからだ。「結局はユーザーを喜ばせることがサービスの秘訣でしょうか?」と宇佐美氏は笑う。

取材:2008年3月7日(名称・数字・肩書・サービス名などは取材当時のものです)


根岸智幸氏

筆者紹介──根岸智幸(ねぎしともゆき)

1963年生まれ。アスキーのPC雑誌の編集長をつとめる合間に、レストランのクチコミコミサイト「東京グルメ」(現ライブドアグルメ)を構築。現在は独立し、有限会社ずばぴたテックとして、「本が好き!」など、ウェブコミュニティの企画・開発・運用を請け負っている。 

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