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この新ビジネスに学べ! ネットの開拓者たち ― 第2回

関心が作る関係ネットワークをプロモーションやECに活かす

関心空間(http://www.kanshin.com/)

2008年08月27日 12時00分更新

文● 根岸智幸(ずばぴたテック) 写真●小林 伸

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月刊アスキー 2008年4月号掲載記事

関心空間トップ画面 関心空間では、ユーザーは関心のあるキーワードをアトランダムに登録。自分のキーワードや他ユーザーが登録したキーワードを自由に繋げて関係ネットワークを作り出す。自分が興味を持っているキーワードから新しいキーワードや情報に出会える。1つのアイテムへの評価を集めるクチコミサイトと真逆と言えるサービスだ。

 人と人をネットでつなげるSNSはCGMコンテンツの代表だが、キーワード同士を繋げるというユニークなサービスが「関心空間」だ。ユーザーは、商品、URL、お店、地名など、好きなキーワードを登録する。そして登録されている2つのキーワードを自分の関心に沿ってつなげる。また、アマゾンのリストマニアのように、あるテーマに沿ったキーワードを集めてリスト化する「コレクション」という機能もある。

前田氏
株式会社関心空間 代表取締役 前田邦宏氏

 この関心空間を考え出したのは、株式会社関心空間の代表取締役である前田邦宏氏だ。20代前半の頃はミュージシャンを志していたが、'90年ごろにアップルコンピュータの人にCD-ROMのデモを見せられて惚れ込み、音楽機材を売って、マックを購入する。そしてデュテイメントソフトなど、CD-ROMのオーサリングの仕事を始めた。'94年に商業利用が始まったインターネットにもすぐに飛びつき、'95年に坂本龍一が行ったインターネットライブにバックスタッフとして参加している。

 当時、自分の周囲のアーティストを満月の夜に集めて紹介しあうイベントも行っていた。東工大の大学院生だった鈴木陽介氏(現同社取締役)に頼んで、PerlのCGIでネット上でアーティスト同士を紹介し合うサービス「HumanWeb」を作った。またJavaのプログラムでアーティスト同士の関係を視覚化したりもした。今ならばSNSと呼ばれるものだが、利用者として想定したアーティストたちに、当時の高価なパソコンやネットを導入する金銭的な余裕はなく、利用者はなかなか増えなかった。

 また「友達の友達は、必ず仲がよいわけではない」ということにも気がつき、住み分けられる空間性をもたせないとSNSは窮屈だと感じだした。「最近言われるミクシィ疲れを、当時から感じてしまってたんですね」。

自分の知っていることの一歩先を視覚化できる

 その後2000年に会社を作ったが、コンテンツ受注の仕事が大半。どうしても、自分が作ったものを提供する仕事がしたかった。HumanWebで「人と人」をつないでいたのを、「モノとモノ」に置き換えれば、企業向けサービスにならないかと考え、関心空間を作った。「関心空間」とは都市計画用語で、アーバニティ(都会的なセンス)はそこに住む人の関心から成り立っている、という文脈で使われる。

 最初、ユーザー数を5人、50人、150人、と少しずつ広げながらテストしていくなかで、繋がりそうもないキーワードが繋がっていくドラマティックな展開が何度も起きた。前田氏自身も廃盤になっていた「プリズナーNo.6」(イギリスのカルト・ドラマ)を登録したら、「来月DVDが発売される」と教えてもらった経験があるという。「(関心空間を使うことで)自分が知っていることの一歩先の情報を視覚化できる。企業に使ってもらうだけでなく、世の中に広めていくことで、人の生活を豊かにできる」と考えた。

 一方、現状のCGMは「広告単価がどんどん下がっている状況で、(焼いてはいけない場所まで焼いてしまった)焼き畑農業のようだ」と前田氏は考える。単に広告の露出数で勝負するのではなく、クオリティペーパーのようにコンテンツも広告もターゲットにとって付加価値の高いサービスを目指したい。

 現時点でも関心空間に広告を出す企業は、ブランディングに利用している傾向がある。もちろん広告として販売しているのだが、利用のされ方は、マーケティング費に近い。これは関心空間のユーザーのリテラシーの高さに起因しているようだ。

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