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ネットビジネス新流儀 第7回

テーマに沿って進化するガイド それが読者の信頼と支持を集める

All About(オールアバウト)

2008年08月20日 12時00分更新

文● 根岸智幸(ずばぴたテック) 写真●小林 伸

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ユーザーニーズと広告ニーズの両方を満たす

 オールアバウトの収益の柱は、サイトに掲載する広告だ。一般的なバナーやテキスト広告もあるが、多種多様の分野に展開した各ガイドとサイトの中からターゲットに合わせて枠を設定するエディトリアル広告がメインである。

 掲載メディアとなるガイドを新設する基準は、ユーザーニーズと広告主のニーズの2つが存在することだ。広告ニーズがあっても、読者がいなければ掲載する意味がない。「インターネットは能動的なメディアです。ユーザーは検索によって自分の必要な情報を探し出す。どうしても辞書的になる」それに対して、適切な構造で情報を提供すれば、自然と読者は集まる。検索でヒットするために、最近のCGMでポピュラーな投稿者がタグを付ける分類ではなく、運営側が用意したカテゴリでガイドサイトを約500テーマに分ける分類法を採用して成功した。

 現在は、ガイドサイトを核にコマースや専門家紹介サービス、分野別ウェブマガジンなどの展開を行っている。「こだわりを持つユーザーにガイドが目利きした商品や職人が作る付加価値の高い商品を提供するのが“オールアバウトスタイルストア”です。また、直 接専門家に相談できるマッチングサービスとして専門家サーチ“オールアバウトプロファイル”を始めました」。

 ユーザーニーズを満たす一方で、「提案もしていきたい。そのためのメディアが必要」ということから、男性向けの「ForM」、女性向けの「ForL」などの細かくセグメント化されたウェブマガジンを次々と創刊している。広告主のニーズはさまざまな分野に常に存在する。それをすくい上げて、あらたな切り口を与えることでユーザーに新しいライフスタイルを提案していく。ターゲットが明確なだけに、広告を出稿しやすいメディアになっている。ネットで培った効率的な編集制作ノウハウを武器にクロスメディアマーケティングに乗り出していく。

All Aboutの基本的なモデル

オールアバウトは、ガイドが役立つリンク集や解説を記事として提供するガイドサイトのほか、ショッピング、専門家サーチ、各種ウェブマガジンを提供しているが、すべて「人」「専門家」が核となっている。

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