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ネットビジネス新流儀 第3回

ユーザーの思いを大切にすることが、共感を生み、好循環につながる

魔法のiらんど

2008年02月07日 17時53分更新

文● 根岸智幸(ずばぴたテック) 写真●小林 伸

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月刊アスキー 2007年7月号掲載記事

 今、出版界にムーブメントが起こっている。10~20代の女性が携帯電話で書いた小説が、次々とベストセラーとなり、映画化も決まった。各出版社は続々とこの分野に参入を始めている。このコンテンツの供給元は、元々は硬派なエンジニアリングの会社だった。

ユーザーの思いを大切にすることが、共感を生み、好循環につながる


株式会社魔法のiらんど 谷井 玲氏

株式会社魔法のiらんど 代表取締役社長 谷井 玲氏

 株式会社魔法のiらんどは、無料で手軽に情報発信できるモバイルコミュニティサイト「魔法のiらんど」を運営している。ここで提供されるBOOK機能(小説執筆機能)を使って、10~20代の女性を中心に続々と小説が書かれている。ここから書籍化された小説は、軒並み10万部を超え、中でも「恋空」は120万部以上の大ヒットとなり映画化も行われた。これは稀にヒット作が生まれれば上々という出版界の常識を覆している。

 その「魔法のiらんど」は、'99年12月にiモード向けのサービスとして始まった。当時は社名も異なり、主に大手通信企業の下請けとして、データベースの性能評価や設計などのエンジニアリングサービスを提供していた。そのとき社長の谷井氏が、高校生の息子との食事中の会話で携帯電話向けホームページサービスを思いつき、みずから「社内の技術研究資産からソースプログラムをかき集め1週間で作った」のだという。それがパソコンを持っていなくてもホームページを作れるサービスとして人気を集め、初日300、1カ月後に40万、3カ月後に120万とPV(ページビュー)が伸び、月間19億PVという巨大サービスに育った(2007年3月現在)。

 谷井氏は当時から「魔法のiらんど」を単なる集客マシーンではなく「自己表現の場」であると考え、みんなが幸せになれる技術を提供したいと「志みたいなものを持った」という。そこで力を入れたのが「アイポリス」による目視チェックと啓蒙活動だった。エンジニアリングの会社らしく、ユ ーザーの投稿をテキストマイニングで分析し、禁止語句の自動チェックでアダルト業者を締め出し、援助交際に結びつきそうな書き込みを禁止した。また「死ね」のような暴言を書くと「元気に生きてね」と変換されてしまうような、ウィットのある仕組みも導入している。一方で専任スタッフによる目視チェックと啓蒙活動も重視しており、24時間体制で巡回するとともに、ひとりひとりのユーザーにプライバシーや著作権などの知識、規約違反の理由を説明し、納得してもらうことに時間と労力を割いている。このようにユーザーと密着した運営を目指していた点が、当初から多数のユーザーを獲得しつつ、サイト内が荒廃することなく、安定した人気を保ち続けている秘訣だろう。

魔法のiらんどの基本的なモデル

魔法のiらんどでは、参加者が強い帰属意識を持ち、自分たちがクチコミで広めてきた小説 を身近に感じ、そしてそれを形にして残したいという感情で購入している部分があるようだ。ユーザーによって生まれ、育ってきたのである。

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