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ネットビジネス新流儀 第6回

より良いサービスを作るために、会社作り、チーム作りから始めた

GREE

2008年08月18日 12時00分更新

文● 根岸智幸(ずばぴたテック) 写真●小林 伸

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人が作らないものを作っていかなければならない

 2005年に会社の体制が整った頃、2010年にどんなサービスが必要になるか考えた結果、「モバイルのサービスが来る」と田中氏は確信。同年6月からサービスを開始したモバイル版GREEは、初のケータイだけで完結したSNSだった。

 さらに2006年11月にauの公式SNSとして「EZ GREE」の提供を開始したことで、一気に勢いがついた。EZ GREEは、単に公式メニューに登録されているというだけではない。利用者の個人情報がすでに登録済みであるという携帯電話の利点を生かし、誰でも入会できる。

 「モバイルでSNSをやるのはチャレンジでしたが、モバイルのほうがコンテンツを絡められるというメリットがあった。たとえばKDDIの占いサービス。それにSNSの発想をプラスする」。EZ GREEでは、ユーザーがアバター用のアイテムと交換できるゴールドを得るために連携サービスに会員登録すれば、KDDIから成果報酬が支払われる。パソコン版ではGREEキャリアというサービスも展開している。

GREEの基本的なモデル

パソコン版のSNSサイト「GREE」を核に、モバイル版やキャリア版など、各ビジネスに特化したSNSサービスを展開することで、一般広告以外にも収益を上げる方法を確保した。

ほかの会社を研究しても、何かが生まれるわけではない

 田中氏は、今後もユーザーの立場で、良いサービス、新しいサービスを作っていくという。「ブログやSNSを作ったとき、ごく一部の人が使うサービスだと思っていたが、あっという間に普及した。だからこそ、誰もこんなの作らないだろ、ぐらいのものをやらないと」。だから、他社のサービス内容はそれほど気にしていない。「グーグルはヤフーを研究したわけではないと思う。ほかの会社を研究しても、何かが生まれるわけではない。自分がおもしろいと思うことをやる。駄目なサービスを作れば、掲示板に“つまらない”と書かれますから、ユーザーからのフィードバックを受けながら、いいサービスを作っていくしかない」。

モバイル版GREEはパソコン版とは違う要素も多い。無料ゲームのほか、アバターや壁紙でプロフィールをカスタマイズする機能を持っている。

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