機能を最小限に絞った変わりに、低価格なノートパソコン「NetBook」が話題だ。Eee PCあたりから始まって、ASUS、Acer、MSIなどの台湾系企業、HPやデルなどの米国系企業が続々と新製品を投入(または開発表明)している。日本企業の動きは今のところ鈍いが、一部メーカーが海外向け製品の投入に動き出しているという話も聞かれる。
そんな中、飛び込んできたのが、レノボの「IdeaPad S10」のニュース。海外で10月に投入を予定しているNetBookで、399ドル(約4万3000円)から、という価格設定が魅力的だ。日本でも発売してほしいと感じる方も多いはず(日本での発売は未定)。
筆者もリリースと、製品画像を穴の開くほど眺めたひとりだ。まずは国内でも注目を集めているASUSの「EeePC 901-X」とスペックを比較してみよう。
IdeaPad S10 | EeePC 901-X | |
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CPU | Atom(型番は不明) | Atom N270(1.60GHz) |
メインストレージ | 80GB HDD | 12GB SSD |
ディスプレー | 10.2インチ | 8.9インチ |
無線 | WiFi(方式は不明) | IEEE 802.11b/g/n |
カードスロット | ExpressCard | ―― |
USB | 2ポート | 3ポート |
メモリーカード | 4in1カードスロット | SD/MMCカードスロット |
厚さ | 25.4mm | 22.7mm(最厚部39mm) |
重量 | 約907g | 約1100g |
優位ポイントとしては、S10にはExpressCardスロットがあり、メモリーカードスロットも4種類のメディアに対応していること。その4種類が何なのかは不明だが、901-XがSDメモリーカード/MMCスロットのみであることを考えると、少しだけ拡張性が高そうだ。
一方でUSBポートは901-Xのほうがひとつ多い。USB機器を多くつなぐなら901-Xのほうが使い勝手はいいかもしれない。
そのほか気になるのは、S10のディスプレーにはLEDバックライトが採用されており、省電力化が図られている点。
一方でメインストレージには、SSDではなくHDDを採用している。容量面ではメリットがあるが、SSDを採用する901-Xより若干消費電力が高くなるかもしれない。重量もSSDのほうが軽いはずだが、全体的には901-XよりS10のほうが若干軽い。
ちなみに、アナログRGB出力とウェブカメラは両方とも搭載している。
アレじゃないとダメなんです
個人的には、ストレージ容量の多さと拡張性の高さからIdeaPad S10に魅力を感じる。ただし、トラックポイント非搭載という点が悲しい。
筆者はもう何年もスティック型のポインティングデバイスしか操作しておらず、ノート選びの外せない基準にもなっている。
NetBook共通の不満点はスティック型のポインティングデバイスがないことである。「Lenovoならトラックポイント搭載のNetBookを出してくれるに違いない」と思い込んでいただけに、かなり落胆しているのが正直な心境である。
まあ、ThinkPadブランドじゃないからしょうがないか……。
