3. オフィシャルサイトを核にするchumbyの考え方
ウィジェットとチャンネル
ウェブサイトを利用したchumbyのサービスは会員制(無料)。基本的にはchumbyユーザー向けのサービス内容だが、chumby実機の所持は実は必須ではない。アカウントを取得してログインするとわかるが、「virtual chumby」というウェブブラウザーで動作するシミュレーターを利用できるからだ。
さて、ログインして初めて使えるようになるサービスには何があるのか。もちろんさまざまなサービスが用意されているが、chumbyユーザーにとって最も重要なのはチャンネルの作成と管理だ。チャンネルとは、iTunesで例えると「プレイリスト」に相当するもの。ウィジェットを束ねるバインダーとして機能する。
チャンネルは複数作ることができ、その中の1つをchumbyで選択する。chumbyは、そのチャンネルに登録されたウィジェットを次々と、そして繰り返し実行していく仕組みだ。その様子はvirtual chumbyでも確認できる。
それぞれのチャンネルには自分なりのコンセプトを設定して、そのコンセプトに合ったウィジェットを登録する──という使い方がベターだ。
具体的な手順は後述するが、たとえば「Games」というチャンネルを作成し、ゲームばかりを登録すると、最初から登録されている「Default」に「Games」を加えた2つのチャンネルを持つことになる。普段は「たれ流し」系のウィジェットを登録した「Default」にしておき、積極的にゲームで遊びたいときは「Games」に切り替えるという運用が想定できるだろう。
なお、ここまでの説明の再現にchumbyの実機は必要ないということを再度強調しておきたい。
これは、iPodに転送することを念頭に置きながら、iTunes上でプレイリストを作っている状態に例えられる。iTunesはそれ単体で完結するソフト。chumbyのオフィシャルサイトも、それと同じことだ。
chumbyのアクティベート
chumbyのオフィシャルサイトで完結するウィジェットとチャンネルの操作だが、ここにどうchumbyの実機がかかわってくるのか。それを説明していこう。
購入後最初にchumbyを起動すると、自己紹介のムービーが流れたあと、アクティベートをうながす画面に移る。
アクティベートとは、chumbyのオフィシャルサイトで作ったアカウントと、chumbyの実機とを結び付ける手続きのことだ。アクティベートを済ませると、自分のアカウントで作ったチャンネルをchumby本体に反映させられる。
chumby本体は、インターネットにあるchumbyオフィシャルサイトの川下におり、基本的に隷属する関係にある。ユーザーは、設定のほとんどをMacやPCのウェブブラウザーでオフィシャルサイトにアクセスして済ませられるわけだ。
一方で、chumbyからチャンネルやウィジェットに対してできることは限られている。どのチャンネルを表示するかの選択と、チャンネル中のウィジェットの削除くらい。chumbyで実行したそれらの操作は、即座にオフィシャルサイトのデータに反映される。
なお、chumbyの場合はいつでもアクティベートを解除して、またアクティベートし直せる。あくまでも、オフィシャルサイトのアカウントとそれぞれのchumby本体とを関連づける必要性から存在する手続きだ。チャンネルとプレイリストの相似関係同様、アクティベートもまた、iTunesとiPodとの初回の同期時のみに必要な、あの手続きに見立てることができるだろう。
(次ページに続く)
