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1プロセッサで地球規模の処理をまかなう時代に備える

地球規模のビジネス戦争に打ち勝つために、ITを武器にせよ――ガートナー

2008年06月19日 04時00分更新

文● 小橋川誠己/アスキーネタ帳編集部

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ガートナー ジャパン(株)は6月16~17日にかけて、「ガートナー ITインフラストラクチャ&データセンター サミット 2008」を開催した。初日の基調講演に登壇したのは、ガートナー リサーチ バイス プレジデント兼最上級アナリストの亦賀忠明氏。「ITインフラストラクチャのメガトレンド 2008」をテーマに語った。

テクノロジーとインフラの重要性を認識すること

「なぜ、ITの世界だけインフラ、テクノロジへの注目が低いのか。それが不自然なことであり、不思議に思う」。講演冒頭にそう切り出した亦賀氏が引き合いに出したのは、他の産業界における“インフラ”“テクノロジー”の重要性だ。

ガートナー リサーチ バイス プレジデント兼最上級アナリストの亦賀忠明氏

ガートナー リサーチ バイス プレジデント兼最上級アナリストの亦賀忠明氏

 たとえば、森ビルが上海に建設中の500メートル級の超高層ビル(通称「上海ヒルズ」)。世界最高層クラスのこのビッグプロジェクトを実現するのが、最高クラスの建築技術であることは言わずもがなだ。あるいは、フィジーの海底ホテルや、世界最大の航空機「エアバスA380」。こうした、世界を驚かせた革新的なビジネスを技術抜きで語るのは難しいだろう。「インフラとテクノロジは、ビジネス、ライフスタイル、国家レベルの競争優位、すべてに対して新たなきっかけをもたらす」と亦賀氏は指摘する。

 しかし一方で、ITインフラへの投資の場合、目的はコスト削減と見なされる向きが多い。つまり、新しいビジネスを生み出すためのものではなく、コストを絞ること(これにはITだけでなく、業務の効率化も含まれるだろう)に結びつくものと捉えられている。

「単なるコスト削減では新しい発想は何も出てこない。ITをビジネスで戦うための“武器”に転換することが必要不可欠だ」(亦賀氏)

 こう呼びかける亦賀氏によれば、実際に海外のグローバル企業の間で、ITに関してもテクノロジーを競争上の武器として使いたいと考えるユーザーが増えているという。他社を抜く、唯一絶対的な存在になることに真剣に注力し始めているためだ。このことは、ガートナーが昨年、米国で行なったエグゼクティブ対象の調査でも裏付けられている。

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